社会そのほか速
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両市は毎年、海外で原爆展を実施しているが、ワシントンでの開催は、被爆50年の1995年以来、20年ぶり。米国の首都で改めて原爆の惨禍を伝えることで、核兵器廃絶の国際的な機運を盛り上げる狙い。両市所蔵の被爆者の遺品や写真パネルなどを展示し、被爆者にも渡米して体験を証言してもらう。会場はアメリカン大で調整している。
広島市はこのほか、被爆建物として市内に残る旧日本銀行広島支店で、広島平和記念資料館の収蔵品展を7月中旬に開くなど、計15の関連記念事業を新たに公表した。
JR豊後竹田駅近くにある市営の温泉施設。入り口には足湯が設けられており、地元住民や観光客の憩いの場となっている。
開館は2001年。開放感あふれる大浴場には、水に恵まれた土地柄らしく、地元の水利施設「円形分水」「白水ダム」を模した給湯口がある。湯が円筒の中心から湧き出たり、壁を伝って流れ落ちたりするさまが見ているだけで面白い。
無色透明の湯はぬるめで、ややとろみがある。冷え性や疲労回復に良いといわれる。保温や保湿効果もあるとされ、湯上がり後も体はぽかぽか、肌はすべすべの状態が続いた。近くに住む藤本八重子さん(80)はほぼ毎日訪れる常連客。「湯冷めしないし、肩や腰が痛いときもすぐ楽になる」とほほ笑んでいた。
施設内には、大分名物の空揚げなどを味わえる大広間や、岡城跡や湧水群など市内の名所旧跡に関する情報を入手できる「市観光ツーリズム協会」もある。館長の林寿徳さん(57)は「温泉でくつろぎ、食事や市内観光を楽しんでほしい」と呼びかける。
〈こんな湯〉ナトリウム塩化物泉。午前11時~午後10時。木曜休み(祝日の場合は営業)。中学生以上500円、小学生200円(各税込み)。(電)0974・64・1126
〈見て・食べて〉地元ゆかりの作曲家・滝廉太郎の記念館へは徒歩約15分。記念館そばの飲食店「さふらんごはん」では生産量日本一のサフランや旬の食材を使った定食(税込み800円)が味わえる。
国際協力に携わる民間活動団体(NGO)や国際機関などが集まる「ワン・ワールド・フェスティバル」が7日、大阪市北区の関テレ扇町スクエアなどで始まり、多くの人でにぎわった。8日まで。入場無料。
市民に国際協力の大切さを伝え、活動に参加してもらう機会をつくろうと、1993年から実施。今回は、途上国支援や人権擁護の分野などで活躍する178団体とボランティア約260人が参加した。
会場には各団体のブースが設けられ、スタッフが訪れた人に活動内容などを説明した。また、世界で人権被害に遭っている人に支援の手紙を書く企画や、援助活動してきた人の話を聞くセミナー、民族衣装を着ることのできるコーナーもあり、扇町公園では各国の料理の屋台が並んだ。
校内での活動として、フィリピンでの学校建設を目指している桃山学院高2年、朝田夏海さん(17)は「貧困の根底には教育問題があると思うので、少しでも力になれれば」と募金を求めていた。
8日も午前10時から午後5時まで行われる。雨天決行。小吹岳志・副実行委員長は「発展途上国は食や衣料を通じて私たちの暮らしと密接に関わっている。国際協力が身近な問題であるということを知ってもらえれば」と話していた。
3月14日の北陸新幹線金沢開業を前に、新型車両「W7系」の一般試乗会が7日、金沢―長野間(228キロ)で始まった。8日まで計4往復し、倍率77倍の抽選で選ばれた計2800人が乗車する。初日は約1400人が最高時速260キロを体感し、車窓から日本海や立山連峰などの雄大な自然を満喫。充実した車内設備などの評価も高く、参加者は一様に興奮気味だった。
7日は、JR金沢駅から午前10時10分発、長野駅から同10時42分発でいずれもW7系が両駅間を往復。富山駅でのみ1分間停車した。
このうち、長野駅を出発した便は正午前に金沢駅に到着。折り返して出発するまでの約30分間に、ホームの柱を彩る金箔(きんぱく)や九谷焼、輪島塗などの伝統工芸品が並ぶ中2階の待合室を観賞した。東京都江東区、会社員吉田瑛子さん(32)は「工芸品がきれいに飾られ、おしゃれな駅。もっとゆっくり見たかった」と開業後の再訪に期待した。
長野で折り返して金沢に戻った地元参加者らは、長野までが一気に近くなったことを実感した様子だった。金沢市戸板、上田豊さん(46)は「信じられないほど早かった。開業後は、仮眠をとって寝過ごさないようにしないと」と話していた。
富山市西荒屋、公務員永田賢治さん(41)は「ぐんぐん加速するスピード感がすごかった。(最高時速の)260キロが車内アナウンスで流れた時は気分が盛り上がった」と振り返った。
この日は好天に恵まれ、車窓からの眺望も良かったことから、家族で参加した福井市大宮、会社員本広雅之さん(47)は「真っ白に輝く立山連峰と、真っ青な日本海や空とのコントラストがすごくきれいだった。もうすぐ東京に転勤するが、北陸が日帰り圏内になるのでまた来たい」と感慨深げだった。
振動の少なさや全座席に備えられたコンセントなどの機能性の高さも好評で、本広さんの妻直子さん(36)は「荷物棚の上にミラーを付けて忘れ物がないかチェックできる点など、細部まで気が利いていた。座席の間隔が広くて、子供を膝に乗せても狭く感じなかった」と喜んでいた。
鉄道愛好家らでつくる「金沢鉄道模型倶楽部」に所属する野々市市若松町、高校2年村上知行さん(17)は「N700系などいろいろな新幹線に乗ったけれど、W7系が一番良かった。在来線でなくなる電車の寂しさもあるが、春から新しく走る電車もあり、楽しみ」と興奮した様子だった。
3か月ぶりに金沢へ戻ってきました。帰国すると、北陸は来年の新幹線開通でお祭り騒ぎ。日本海側に面しているため、交通の便が悪く、今まで多くの苦労をされた地元の方々の世代を超えた感情を考えると、「便利」になる期待と喜びは十分に理解できます。
でも、新幹線は機械技術に過ぎません。ハードとしての新幹線と同時に、ソフトとしての地域の文化的価値を考えないと新幹線による弊害も起こってきます。
フランスの新幹線TGVを例にすると、明暗を分けたのは、西のボルドーと南のツールーズです。どちらも歴史的価値のある地方都市ですが、TGV開通によって、その文化的イメージと経済効果には異なる結果が出ています。
ボルドーは、TGV開通を前に早くから、アラン・ジュペという有名な政治家である市長の指揮で、壮大な都市計画が実行されました。当初よりユネスコの世界遺産都市を念頭に置き、街並みの整理と美化、歴史的建造物の保存を実行していたのです。ある意味で、市長の情熱による強引な改革でしたが、大きな反対運動は起こりませんでした。
フランス国民の欠点は何にでも反対で、文句ばかり言うことですが、一ついいところがあります。それは街や国を美しくして、歴史的建造物を保存しようという政策には個人の自由が多少制限されようとも、99%の人が「文句も言わず」賛同することです。
古い巨大な倉庫を現代美術館にしたり、戦後にできた醜いコンクリートの建物を取り壊したり、大通りを整備し、街中の狭い道は遊歩道にしたり……。キャッチフレーズは、ボルドー市のアール・ド・ヴィーヴル(豊かな生活感)とエステティズム(美的感性)。その結果、観光客ばかりでなく、パリの企業がボルドーに拠点を置き、多くの富裕者層がボルドーを生活拠点にし始めたのです。美しい文化があるから人が集まるのです。
ツールーズは、航空機産業の中心地であることに甘んじ、経済面で有利になるだろうと楽観視して、TGV開通に向けた文化的改革には手を打ちませんでした。その結果、観光産業も衰え、「便利」が理由で、企業の幹部は、週末はパリの家に帰る単身赴任や日帰り出張だけ。便利になり、街に魅力がないので移住する家族も逆に少なくなりました。文化を軽視したツケが、結局、経済的なマイナスになったのです。しかも、知名度もイメージも下がるばかり。
新幹線効果は「やって来る」のではなく、地元の人々によって「創り出す」のです。北陸がどう変わるか……、それは市民と市民が選ぶ政治家次第です。
今年のフランス滞在では列車の移動が多かった。日本の新幹線とフランスのTGVは、世界市場への売り込みでライバル関係にあるので、ついつい両者を比べてしまう。
最高速度はフランスが勝るそうだが、私の個人的採点では機能性、サービス、清潔感などの総合点で日本の新幹線に軍配が上がる。幸い、妻も自国の負けを認めたので、車内での醜い夫婦喧嘩は避けられた!
だが、だからと言って、「日本は偉い!」と安心してはならない。そもそも乗り物に関する考え方に国民性の違いがあると思う。日本は乗り物好きで移動する過程を楽しむが、フランスで乗り物は移動する手段に過ぎない。大事なことは移動の目的なのだ。
もっとも顕著な例が、自動車の扱いにある。日本では駐車の際に他の車のバンパーに少し触れるだけで大問題になるが、フランスではバンパーはあたって当たり前の保護カバーなのだから、少々こすったぐらいでは問題にならない。日本人の大好きなアメリカ経由の「ドライブ」という言葉はフランスにはない。恋人たちがドライブを楽しむというデートは存在しない。大事なことは車に乗って、どこへ行くのか? という目的地だ。セーヌ河畔へ、森の散歩へ、あるいは劇場や映画館、美術館へ……出掛ける先がデートの場所なのだ。
車は移動手段に過ぎない「下駄」のようなものであるから、多少汚れていても気にしない気にしない。多くのフランス人が日本に来て驚くのはピカピカの自動車である。だが、我が家では自動車に関しては妻が日本人で、私がフランス人。愛車が汚れていると怒られるのは、いつも私……。
フランスの自動車にシトロエンというメーカーがあるが、創始者のアンドレ・シトロエンは百年ほど前に次のような名言を残している。
「自動車とはA地点とB地点間で相互の文化を運ぶものである」
移動手段に関するこの思想は、現代のフランス新幹線TGVにも継がれているように思われる。車体は汚いが、TGVによって多くの地方都市が「パリとは異なる文化と生活」をアピールすることによって、ストロー現象を避けることに成功している。
東京はパリと同様の極端に中央集権の首都。北陸新幹線開通による経済効果ばかりを期待すると、いつか東京に飲み込まれてしまうだろう。北陸が、はたして東京にない文化や魅力をどれだけ発信できるのだろうか?