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(90)新幹線への期待

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(90)新幹線への期待

 

開通効果「創る」のは市民

 

フランソワーズ・モレシャン

 

 

  3か月ぶりに金沢へ戻ってきました。帰国すると、北陸は来年の新幹線開通でお祭り騒ぎ。日本海側に面しているため、交通の便が悪く、今まで多くの苦労をされた地元の方々の世代を超えた感情を考えると、「便利」になる期待と喜びは十分に理解できます。

  でも、新幹線は機械技術に過ぎません。ハードとしての新幹線と同時に、ソフトとしての地域の文化的価値を考えないと新幹線による弊害も起こってきます。

  フランスの新幹線TGVを例にすると、明暗を分けたのは、西のボルドーと南のツールーズです。どちらも歴史的価値のある地方都市ですが、TGV開通によって、その文化的イメージと経済効果には異なる結果が出ています。

  ボルドーは、TGV開通を前に早くから、アラン・ジュペという有名な政治家である市長の指揮で、壮大な都市計画が実行されました。当初よりユネスコの世界遺産都市を念頭に置き、街並みの整理と美化、歴史的建造物の保存を実行していたのです。ある意味で、市長の情熱による強引な改革でしたが、大きな反対運動は起こりませんでした。

  フランス国民の欠点は何にでも反対で、文句ばかり言うことですが、一ついいところがあります。それは街や国を美しくして、歴史的建造物を保存しようという政策には個人の自由が多少制限されようとも、99%の人が「文句も言わず」賛同することです。

  古い巨大な倉庫を現代美術館にしたり、戦後にできた醜いコンクリートの建物を取り壊したり、大通りを整備し、街中の狭い道は遊歩道にしたり……。キャッチフレーズは、ボルドー市のアール・ド・ヴィーヴル(豊かな生活感)とエステティズム(美的感性)。その結果、観光客ばかりでなく、パリの企業がボルドーに拠点を置き、多くの富裕者層がボルドーを生活拠点にし始めたのです。美しい文化があるから人が集まるのです。

  ツールーズは、航空機産業の中心地であることに甘んじ、経済面で有利になるだろうと楽観視して、TGV開通に向けた文化的改革には手を打ちませんでした。その結果、観光産業も衰え、「便利」が理由で、企業の幹部は、週末はパリの家に帰る単身赴任や日帰り出張だけ。便利になり、街に魅力がないので移住する家族も逆に少なくなりました。文化を軽視したツケが、結局、経済的なマイナスになったのです。しかも、知名度もイメージも下がるばかり。

  新幹線効果は「やって来る」のではなく、地元の人々によって「創り出す」のです。北陸がどう変わるか……、それは市民と市民が選ぶ政治家次第です。

 

北陸の魅力運ぶ手段

 

永瀧達治

 

 

  今年のフランス滞在では列車の移動が多かった。日本の新幹線とフランスのTGVは、世界市場への売り込みでライバル関係にあるので、ついつい両者を比べてしまう。

  最高速度はフランスが勝るそうだが、私の個人的採点では機能性、サービス、清潔感などの総合点で日本の新幹線に軍配が上がる。幸い、妻も自国の負けを認めたので、車内での醜い夫婦喧嘩は避けられた!

  だが、だからと言って、「日本は偉い!」と安心してはならない。そもそも乗り物に関する考え方に国民性の違いがあると思う。日本は乗り物好きで移動する過程を楽しむが、フランスで乗り物は移動する手段に過ぎない。大事なことは移動の目的なのだ。

  もっとも顕著な例が、自動車の扱いにある。日本では駐車の際に他の車のバンパーに少し触れるだけで大問題になるが、フランスではバンパーはあたって当たり前の保護カバーなのだから、少々こすったぐらいでは問題にならない。日本人の大好きなアメリカ経由の「ドライブ」という言葉はフランスにはない。恋人たちがドライブを楽しむというデートは存在しない。大事なことは車に乗って、どこへ行くのか? という目的地だ。セーヌ河畔へ、森の散歩へ、あるいは劇場や映画館、美術館へ……出掛ける先がデートの場所なのだ。

  車は移動手段に過ぎない「下駄」のようなものであるから、多少汚れていても気にしない気にしない。多くのフランス人が日本に来て驚くのはピカピカの自動車である。だが、我が家では自動車に関しては妻が日本人で、私がフランス人。愛車が汚れていると怒られるのは、いつも私……。

  フランスの自動車にシトロエンというメーカーがあるが、創始者のアンドレ・シトロエンは百年ほど前に次のような名言を残している。

  「自動車とはA地点とB地点間で相互の文化を運ぶものである」

  移動手段に関するこの思想は、現代のフランス新幹線TGVにも継がれているように思われる。車体は汚いが、TGVによって多くの地方都市が「パリとは異なる文化と生活」をアピールすることによって、ストロー現象を避けることに成功している。

  東京はパリと同様の極端に中央集権の首都。北陸新幹線開通による経済効果ばかりを期待すると、いつか東京に飲み込まれてしまうだろう。北陸が、はたして東京にない文化や魅力をどれだけ発信できるのだろうか?

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