社会そのほか速
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衆院選に合わせ、カンボジアとネパール、パキスタンの国会議員と政府関係者4人が日本政府の招待で来日し、各党の選挙活動などを視察している。
日本の選挙制度を理解してもらうことで、各国の民主化を支援するのが狙いだ。
3か国では、最近の国政選挙を巡ってデモが多発するなど混乱が続いている。
4人は13日、東京都内や川崎市内で街頭演説する候補者の活動を視察し、応援弁士が有権者に支持を呼びかけたり、政党関係者が公約の冊子を配ったりする様子を興味深そうに見つめていた。14日は、開票作業も見学する。
カンボジア国民議会議員のウー・チャンリットさんは「道路沿いがポスターと人で埋め尽くされるカンボジアの選挙戦と違い、とても静かなのに驚いた。取り入れられる部分は参考にしたい」と話していた。
それぞれの「党の顔」の足跡をたどると、「与党優勢」が伝えられる中、与党側は全国くまなく回って集票を狙い、野党側は地盤固めに追われる構図が浮き彫りになった。
安倍首相(自民党総裁)は今月2~13日の選挙期間中、基本的に平日は地方、週末は大票田の首都圏を回った。終盤には接戦を演じている自民党候補の選挙区に入り、民主党の海江田代表や枝野幹事長の地元選挙区にも乗り込んだ。自民党の発表によると、首相は25都道府県で計77人の応援演説を行い、移動距離は1万4000キロを超えた。
公明党によると、山口代表は候補を擁立した九つの小選挙区をすべて回り、比例選対策として九州ブロックを除く全国10ブロックで演説を行い、票の掘り起こしを図った。20都道府県を訪れ、移動距離も8000キロ以上に達したという。
一方、民主党の海江田代表の移動距離は9000キロを超えた。序盤こそ各地を回っていたが、自らが出馬する東京1区で自民党候補との激戦が伝えられると、終盤は各地の応援演説のかたわら、地元で「駅立ち」などに追われた。
維新の党は当初、共同代表の江田氏が東日本、橋下氏(大阪市長)が西日本で手分けして遊説する計画だった。しかし、地盤の大阪府内の小選挙区で当落線上の候補が多く、橋下氏が大阪に足止めされるケースが目立った。
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中小の野党党首も13日、全国各地で街頭演説し、衆院選の「最後の訴え」に声をからした。
次世代の党の平沼党首は、岡山県津山市でマイクを握り、「次世代の党は決して、反対だけの野党ではない。いいことは賛成し、国家・国民のために頑張る。与党のだめなことについては、断固反対する姿勢は失わない」と訴え、安倍政権に是々非々の姿勢をアピールした。
衆院定数の半数を超える候補を擁立した共産党の志位委員長は、東京都内のJR新宿駅前で、「安倍政権の暴走に正面から対決しているのが共産党だ。外交でもしっかり対案を示している。自民党対共産党こそ、真の対決軸だ。自民党を倒そう」と強調した。
生活の党の小沢代表は、地元の岩手県奥州市で、「もう一度、国政に送っていただけるならば、必ず、野党の統一を成し遂げ、国民の生活が第一の政権を作り上げる」と訴えた。
社民党の吉田党首は、大分県臼杵市で、「アベノミクスによる格差を是正して、雇用と所得の安定を図る。集団的自衛権の行使容認の閣議決定を撤回し、原発再稼働を許さず、TPP(環太平洋経済連携協定)に反対する」と呼びかけた。
新党改革の荒井代表は、東京都墨田区のJR錦糸町駅前で、「アベノミクスで大企業中心に経済を回して家計の幸せを作るのは重要だったが、第2段階のステップは、家庭そのものが経済の中心になる好循環を作ることだ」と訴えた。
栃木3区で、解党したみんなの党元代表で無所属の渡辺喜美氏が、自民党の簗和生氏に敗れた。
7選を目指した渡辺氏は、8億円の借り入れ金問題や選挙直前にみんなの党が解党するなどで劣勢に立たされた。選挙期間中は地元に張り付き、ミニ集会や街頭演説を重ねたが、イメージダウンをはね返せなかった。
一方、簗氏は前回衆院選で渡辺氏に3万5000票差をつけられて小選挙区で敗れたが、比例選で復活当選。地元密着の活動を重ね、首長の大半の支援を受けて、今回、雪辱を果たした。
平野氏は比例選で復活当選した。
佐藤氏は、衆院解散の11月21日に参院議員を辞職し、「落下傘」でくら替え立候補。地元の大阪府議らの支援や公明党の推薦を受け、過去5回当選した平野氏や、維新の党の前議員らを退けた。
14日投開票の衆院選の小選挙区で、自民党は2012年の前回選を1議席上回る22議席を確保。唯一候補を立てなかった12区も公明党が制した。民主党は、代表の海江田万里さんが比例選の復活当選が出来ずに議席を失ったほか、東京都連会長らも小選挙区で相次いで落選。維新の党など「第3極」も伸び悩んだ。
14区では、「うちわ」の配布問題で法相を辞任した自民党前議員、松島みどりさん(58)が逆風をはねのけ、5度目の当選を果たした。
墨田区の事務所で、トレードマークの赤いジャケットを着て、支持者らとテレビの開票状況を見守っていた松島さん。午後9時過ぎ、当選確実の速報が流れると両手を掲げ、支持者らの拍手と歓声に笑顔で応えた。
松島さんは9月、法相に就任したが、地元で配布した「うちわ」が、「公職選挙法に抵触するのでは」と国会で追及され、2か月たたずに辞任に追い込まれた。
「おわびから始まる選挙だった。『初心に戻って一からやり直して、もう一度働きたいから、チャンスを与えてほしい』と訴えてきた」と振り返った。一方、多くの励ましも受けたといい、「この下町で、人情があるまちで、政治活動をやってきて良かった」と感慨深げに語った。