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12日投開票の県議選(定数46)で4日、期日前投票が始まった。人口減少や経費削減などで投票所が減少傾向にある一方、自治体は期日前投票所の数を増やしたり、商業施設内に設けたりして、投票率アップを目指している。(井沢夏穂)
県選挙管理委員会のまとめによると、今回の県議選の県内の投票所数は、42市町村で831か所(無投票の選挙区も含む)。2011年の前回県議選より80か所、平成の大合併の前の1999年より、138か所減った。
関市では、前回より20減の35か所となる。統一地方選の後半戦で行われる市議選で、合併前の旧市町村ごとの選挙区から全市1区となるのに合わせ、旧町村部の投票所を統合するなどした。「有権者が数千人の投票所もあれば、100人を切る所もあり、バランスをとった。地域からは厳しい意見もあったが、経費削減のためやむを得ない」と市選管の担当者。市長選をモデルに試算した結果、職員の人件費などで500万円程度節減できるという。
代わりに、これまで投票所を設けていた集会所などに、半日間限定で期日前投票所を開設。期日前投票所の総数は、前回より8増の14か所にする。普段は止まらない期日前投票所の前でバスを停車させる特別措置を取る地域もあり、「投票率アップにつなげたい」と市選管は話す。
美濃加茂市の投票所は、前回より15減の11か所。「投票所あたりの有権者数が不均衡だったほか、バリアフリーでない投票所も多かったため」(市選管)という。一方で、前回は1か所だった期日前投票所は9か所に増やす。さらに、昨年9月の市議選から始めたスーパーへの期日前投票所設置を2か所に増やし、6日から投票を受け付ける。
同市選管によると、市議選ではスーパーで期日前投票をした人は、全投票者の1割を超えた。「買い物のついでに投票してもらえるだけでなく、公共施設よりバリアフリーが進んでおり、車いす利用者などからも好評だった」と担当者は話す。
県選管のまとめによると、期日前投票所は、前回より19か所多い158か所(無投票選挙区含む)。坂祝町選管では、県議選からスーパーに設置し、役場と合わせて2か所にする。同町選管は、「人の多く集まる場所に設けることで、選挙を広報する効果も期待できる」と話している。
農業法人「わくわく手づくりファーム川北」(川北町壱ツ屋)が3月に発売した地ビールの新商品が、北陸新幹線の「かがやき」「はくたか」の車内で販売されている。女性をターゲットにした白ビールで「飲みやすい」と好評で、工場では急ピッチで生産されている。
新商品名は「グランアグリ」シリーズ。第1弾は、能美産の六条大麦に加え、小松産の小麦を使った「ヴァイツェン」と呼ばれる白ビール。バナナのようなフルーティーな香りとクリーミーさが特徴で、女性でも飲みやすく仕上げたという。
缶と瓶の2種類で販売。デザインは北陸新幹線をイメージして白、青、銅の3色を使用し、雪吊(つ)りの模様を取り入れた。価格は缶(350ミリ・リットル)が362円、瓶(330ミリ・リットル)が480円(いずれも税別)。
同ファームは「金沢百万石ビール」などの地ビールを販売しているが、小麦を使ったビールは初めて。工場には新たに二つのタンクを設置して、1日1200本ペースで生産を進めている。地元の農水産物にこだわる代表取締役の入口博志さん(63)は「醸造する際の温度調整が難しかったが、小麦の風味が強く残るビールができた」と胸を張り、「能美産のはと麦をローストして使った香ばしいビールを作りたい」と第2弾も構想している。
グランアグリは、北陸新幹線「かがやき」と「はくたか」の車内のほか、金沢駅など駅構内のコンビニや売店でも販売されている。車内販売を担当するJR東日本の子会社「日本レストランエンタプライズ」(本社・東京都港区)は「関東圏の人にとって、北陸のビールはなじみがなく新鮮。デザインも洗練されていて好評」と話している。
桜の名所として知られる敦賀市金ケ崎町の金崎宮(田村典男宮司)で「花換まつり」が開かれている。境内のソメイヨシノは満開で見頃を迎えており、参拝客はゆっくりと散策していた。15日まで。
花換まつりは、花見に訪れた男女が桜の小枝を交換して思いを伝え合ったという風習にちなんだ神事。福娘と小枝を交換すると、願いごとがかなうとされ、訪れた参拝客は福娘に「花換えましょう」と声をかけながら桜の小枝を交換していた。
家族で毎年訪れるという敦賀市櫛川、須見祐斗君(6)は「桜は白くてきれいで見ていて楽しい。(小枝は)ちゃんと家に飾る」と話していた。
◇参拝者ら 「三鈷杵」の輝きに感動
50日間に及ぶ開創1200年記念大法会が行われている高野山(高野町)は4日、期間中初の週末を迎え、境内は大勢の参拝者や観光客で混み合った。人々は、聖域の壇上伽藍(がらん)や奥之院を巡ったり、周辺の施設を散策したりして、山に修行道場を開いた弘法大師・空海の足跡をたどった。(今村真樹)
高野山真言宗・総本山金剛峯寺によると、この日の参拝者は約1万人と、平年のほぼ倍の人出だった。
壇上伽藍にある金堂では、金剛峯寺の本尊・薬師如来像が初めて開帳されており、一目見ようと入り口に人だかりができていた。兵庫県明石市の中島美佐子さん(76)は「柔和な顔立ちで、高野山のイメージにぴったりのお像。見られて幸せ」と笑顔を見せた。東京都江戸川区から来た会社員土橋和江さん(53)は「すごく大きな像でびっくりした。見ていると、心が洗われる気がした」と話していた。
空海ゆかりの「三大秘宝」や鎌倉時代の仏師・運慶が作った「八大童子立像」(国宝)などを特別公開する高野山霊宝館には、大法会が始まった2日から4日までに昨年の10倍以上の約3600人が足を運んだ。大法会に合わせて初めて訪れた宇都宮市のパート従業員小野田早苗さん(45)は、空海が中国・唐から投げて高野山まで届いたとの伝説がある法具「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」(重文)が印象に残ったという。小野田さんは「三鈷杵は1200年前のものと思えないほど光り輝いていた。後世の僧侶が大事に守ってきたのでしょうね」と感動した様子だった。
期間中は、高野山真言宗と交流のある他の宗派も法会を営む。この日は、曹洞宗大本山の永平寺(福井県永平寺町)などから僧侶ら約100人が訪れ、午後2時から金堂で読経した。丸子孝法・副監院は「宗派は違うが、みほとけの心を伝える点は同じ。(空海が)仏教を広めた功績をたたえ、手を合わせた」と話した。
◇江戸期は一大産地 茶屋町の住民ら栽培
若者たちでにぎわう大阪市北区の茶屋、鶴野両町の街並みを、菜の花が彩っている。地元の住民や商店主らでつくる「北梅田地区まちづくり協議会」が、「菜の花の散歩道」と銘打ったプロジェクトを実施。黄色の花が、道行く人たちに春の訪れを告げている。
「菜の花の散歩道」は2009年3月に始まった。その前年に、同協議会の若手有志らを中心に発足した「鶴乃茶屋倶楽部」が、町の歴史を勉強し、明治中頃まで茶屋、鶴野両町を含む広範囲に菜の花畑があったことを知ったのがきっかけ。江戸時代には、一大産地として発展したという。
阪急梅田駅の北東に広がる同地区は、昭和60年代まで開発が立ち遅れていた。その後、1990年に梅田ロフト、2000年代には大型の複合商業施設が次々と開業。飲食店やファッションビルが立ち並ぶ若者の街へ生まれ変わった。
菜の花は、同倶楽部が毎秋、旧市立梅田東小の敷地内で栽培。プランターに植え替えて、開花時期の3月下旬に飲食店やショップに届けている。当初、20~30店舗に配達していたが、今年は約50店舗に増加。同協議会に参加する梅田ロフトや「UNIQLO(ユニクロ)OSAKA」など約20か所でも菜の花を飾っている。
見頃は4月上旬まで。倶楽部のメンバーで、梅田ロフトそばの長屋で育った藤原尚之さん(57)は、「ここ数十年で街は激変し、昔のことを知る人も少なくなった。菜の花を通じて、町の歴史や文化に興味を持ってもらえれば」と話している。