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◇参拝者ら 「三鈷杵」の輝きに感動
50日間に及ぶ開創1200年記念大法会が行われている高野山(高野町)は4日、期間中初の週末を迎え、境内は大勢の参拝者や観光客で混み合った。人々は、聖域の壇上伽藍(がらん)や奥之院を巡ったり、周辺の施設を散策したりして、山に修行道場を開いた弘法大師・空海の足跡をたどった。(今村真樹)
高野山真言宗・総本山金剛峯寺によると、この日の参拝者は約1万人と、平年のほぼ倍の人出だった。
壇上伽藍にある金堂では、金剛峯寺の本尊・薬師如来像が初めて開帳されており、一目見ようと入り口に人だかりができていた。兵庫県明石市の中島美佐子さん(76)は「柔和な顔立ちで、高野山のイメージにぴったりのお像。見られて幸せ」と笑顔を見せた。東京都江戸川区から来た会社員土橋和江さん(53)は「すごく大きな像でびっくりした。見ていると、心が洗われる気がした」と話していた。
空海ゆかりの「三大秘宝」や鎌倉時代の仏師・運慶が作った「八大童子立像」(国宝)などを特別公開する高野山霊宝館には、大法会が始まった2日から4日までに昨年の10倍以上の約3600人が足を運んだ。大法会に合わせて初めて訪れた宇都宮市のパート従業員小野田早苗さん(45)は、空海が中国・唐から投げて高野山まで届いたとの伝説がある法具「飛行三鈷杵(ひぎょうさんこしょ)」(重文)が印象に残ったという。小野田さんは「三鈷杵は1200年前のものと思えないほど光り輝いていた。後世の僧侶が大事に守ってきたのでしょうね」と感動した様子だった。
期間中は、高野山真言宗と交流のある他の宗派も法会を営む。この日は、曹洞宗大本山の永平寺(福井県永平寺町)などから僧侶ら約100人が訪れ、午後2時から金堂で読経した。丸子孝法・副監院は「宗派は違うが、みほとけの心を伝える点は同じ。(空海が)仏教を広めた功績をたたえ、手を合わせた」と話した。