社会そのほか速
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1943年春、東京府立第七中学校(現都立墨田川高校)に入学しました。
気さくな下町っ子が集まっていましたが、教育は軍国主義化していました。教師に尻をシャベルで思いっきりたたかれたこともあります。
44年12月頃から勤労動員され、勉強どころではなくなりました。工場で戦闘機が使う弾丸の製品検査に追われました。「敵機を撃ち落とすのに役立つんだ」と思い、懸命に働きました。
ところが、45年3月の東京大空襲で、多くの人が命を落としました。私は川に落ち、死にかけましたが、船に乗っていた人に助けてもらいました。翌朝、路上にたくさん転がっている死体を見ても、何も感じない自分がいました。
当時は「絶対神風が吹いて、日本が勝つ」と叫ばれていましたが、焼け野原に変わった東京を見て、「世の中に絶対なんてものはない」と確信しました。「日本は負ける」とも思うようになりました。
いったん茨城県に疎開後、7月、父の出身地である新潟県へ引っ越し、県立長岡中学校(現長岡高校)に転校しました。
8月15日、勤労動員先の工場で玉音放送を聞きました。「男はアメリカか南方に送られる。今のうちにいいことをしよう」と悪友に誘われ、初めてたばこを吸いました。帰宅後、父に「男全員を乗せるのに船が何隻いると思うんだ」と叱られ、目が覚めました。
9月になると、授業が再開しました。ほぼ2年ぶりで、うれしくて家でもよく勉強しました。校内試験で1番になりました。
こうした戦争体験が、昭和史を研究することにつながったと思います。来月8日、太平洋戦争開戦から73年です。平和の大切さを改めてかみしめたいものです。(聞き手・石塚公康)
(2014年11月20日付読売新聞朝刊掲載)
2013年に入社後、東京都新宿区の新宿ショールームで接客を担当する。
地上8階、地下1階の店内は「リビング・ダイニングフロア・北欧家具」「カーテン・照明」など商品の種類やテーマ別のコーナーがある。テーブル、イス、食器棚からドレッサーやベッドまで約2万5000点が並ぶ。
様々な商品の相談に対応できるよう、各階を行き来しながら客の動きに目を配る。品定めをしている時は極力話しかけず、しばらく悩んでいたり、何度も見に来て関心を示していたりすると、タイミングを見て声をかける。
商品をすすめるときは、「用途や部屋の間取り、壁の色、床の種類などを聞き、使い勝手や価格なども考慮します」。配置も提案するといい、「部屋を見に来て」と頼まれることも。「頼っていただく分、責任は重い。納得して購入してもらいたい」と語る。
ただ、失敗もあった。在庫がない商品の入荷時期を知りたがった客に3、4日連絡しなかったら、「遅い」と叱られた。「わかる範囲内の情報だけでも早く伝えるべきだった」と反省。以来、客の立場で考えることを徹底している。
上司の真貝愛(しんかいあい)さん(40)は、「色々な人の意見を聞き、納得したことはすぐに取り入れようとする。お客様のことを常に考えるようになった」と評価する。
大学時代、飲食店や書店、スーパーなどでアルバイトをし、接客の仕事に魅力を感じた。大塚家具の店舗を訪れたとき、強引に売るのではなく、談笑しながら自然な流れで要望を聞き出し、丁寧に応対する社員の姿に引かれた。
「メーカーや素材の特徴、流行など専門知識はもちろん、お客様の趣味なども含め、色々な話を通じて信頼関係を築きたい」と意気込む。「お客様の喜ぶ顔と感謝」をやりがいにする毎日だ。(桜木剛志)
(2014年11月4日の読売新聞朝刊に掲載)
「食を通して家庭の幸せに役立つ」を企業理念とする食品製造販売会社です。
発売から50年以上になるバーモントカレーなど国内トップシェアのカレーやシチュー、スパイス、スナック菓子、デザート、調味料など様々な商品を提供しています。
創業100周年を迎えた一昨年に持ち株会社を設立、28の連結子会社の中で、当社がグループの中核を担っています。
近年、グループ全体で力を注いでいるのが、米国や中国、東南アジアなどに拠点を持つ国際事業です。1981年に進出した米国では、意外と思われるかもしれませんが、豆腐の製造販売を行っています。豆腐は健康志向もあって人気があります。中国では日本式のカレーの製造、販売、タイではビタミンCを多く含んだ機能性飲料の販売を行っています。
人材育成については年齢や役割に応じた様々な研修を実施しています。入社3年目までは、社会人の基本や論理的思考、リーダーシップなどを身につけてもらいます。短期間留学制度もあり、米国では現地の大学に4か月通った後、残りの4か月間は現地の企業で就業体験を行います。中国では半年間、現地の大学で語学を学び、東南アジアでは現地での社会課題解決など様々なことに挑戦します。
求める社員像は「自ら夢を描き、周囲を巻き込み、やり抜く人」です。そのための原動力となる向上心を持ち続ける人を「ノボる人」と呼んでいます。
最近は留学経験のある学生も多いのですが、「どんな夢を持って留学し、その実現に向けてどのように努力したのか」が重要です。挫折、失敗しても、結果を正面から受け止め、再挑戦の努力が出来る人、そんな「ノボる人」が仲間になってくれるとうれしいです。(聞き手・森川明義)
◆会社概要 1913年創業。資本金20億円。2013年に持ち株会社制に移行し、グループの中核事業会社に。連結売上高2326億円(14年3月期)。連結従業員数5276人(14年3月)。東京都千代田区と大阪府東大阪市の2本社制。
◆採用計画 2015年4月の新卒採用予定者数は33人。営業・業務職20人、研究職8人など。
(2015年1月27日の読売新聞朝刊に掲載)
「私より早く内定を得た同期から、君は○月に内定が出た組だね、と補欠扱いのように言われました」
内定式や内定者研修が開かれる季節。例年、内定の時期や内定を得た企業の数などで、劣等感を持ち、入社への不安を訴えるまじめな学生に出会います。
他人と比べてしまう気持ちは、わからなくはありませんが、内定の順番など気にする必要はありません。内定者や新入社員同士が感じる序列意識と入社後の仕事の評価とは無関係です。
今の時期、大切なのは、内定を就職活動のゴールではなく、社会人のスタートととらえ直す意識です。過去は変わりませんが、未来は変えられます。未来を見据えれば、今感じる差が成長する課題に通じ、努力すべき方向のヒントとなるはずです。
私自身、大手企業の新入社員時代には、学生時代から起業経験や留学経験があり、自己主張できる同期たちを見て、自分の平凡さを痛感。自信を失いました。そこで気持ちを切り替え、自分には特別な才能などないのだから、無用なプライドは捨て、積極的に先輩や上司とコミュニケーションをとることを心がけました。その結果、様々な教えを請うこともでき、成長の糧になった実感があります。
一方、自己主張が強かった同期の中には、職場の人間関係につまずき、1~2年で退職していった人もいました。
働く人生は長い。コツコツと努力と工夫を続ける先に、自分の成長や会社の評価があるのです。(フィールワークス代表)
(2014年9月23日の読売新聞朝刊に掲載)