社会そのほか速
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ヒツジ年(Year of the Sheep)を迎え、初売り(New Year opening sale)に出かけてついつい、散財(wasteful spending)した人もいるのではないでしょうか。
学生時代、私はある店の新年セールで「素敵な服が○万円分」というキャッチコピーに引かれて福袋(lucky‐dip bag)を買ったら、中身は安っぽい(shoddy)ものばかり。「羊頭狗肉(くにく)」もいいとこでした。
「羊頭狗肉」とは、看板には羊の頭を掲げながら、実際は犬の肉を売るという中国の故事に由来する例えです。見かけや宣伝は立派だが、内容が伴わないという意味です。false advertising; deceptive appearanceなどの訳が可能です。
「新規開店のあの店はやり方が羊頭狗肉だからはやらない」は、That new store is unpopular because it runs flashy ads to sell inferior items.と訳せます。flashyは「見かけ倒しの」、inferior itemは「粗悪品」という意味です。
a wolf in sheep’s clothing[skin]は「ヒツジの皮を着たオオカミ」が文字通りの意味ですが、「柔和を装った危険人物」「偽善者」の比喩です。cast sheep’s eyes at...は「~に色目を使う」「秋波を送る」の意味です。He was making sheep’s eyes at that female employee.(彼はその女子社員に色目を使っていた)のように用います。
follow like sheepは「疑うことなく従う」の意味です。If one sheep leaps over the ditch,the rest will follow.(1匹のヒツジが溝を飛び越せば、残りついていく)は、安易に物事や人に従うことを例えたことわざです。(菅彩織理記者)
海外進学を目指す受験生向けの塾や、予備校のコースが増えている。
10月中旬、東京都渋谷区、海外進学志望の小中高生向け学習塾「IGS」。米ハーバード大出身の米国人講師2人が「民主主義の功罪」に関する質問をすると、中高生約10人が英語で議論を始めた。米国の大学進学を目指す神奈川県の栄光学園高3年藤尾充樹さん(17)は「実践的な訓練の積み重ねで、自分の意見を発信する力がついた」と手応えを語る。
IGSは2010年に開校。講師8人全員が外国人で、英語で論理的に意思疎通できるように指導する。生徒は約80人。海外大への進学を目指す高校生のほか、高校から米国の寄宿制学校(ボーディングスクール)への入学を希望する中学生もいる。これまで海外に住んだ経験はない子どもがほとんどという。
福原正大代表(44)は「未来の世界のリーダーたちと切磋琢磨(せっさたくま)し、高い英語のコミュニケーション力を身につけるためには、東大よりも海外トップ大が近道」と言う。来年は、教室を横浜、大阪にも増やす予定だ。
海外トップ大を目指す中高生向けの塾は、教育事業大手・ベネッセコーポレーションが08年に開校した「ルートH」(東京)が先鞭(せんべん)をつけた。これまで28人を海外大に送り出し、うち9人は米ハーバード大に進んだ。
日本から海外への留学者は04年をピークに、最新のデータがある11年まで減り続けている。しかし、同社の藤井雅徳さん(39)によると、ハーバード大に在籍する日本人は現在10人で、5年前から倍増した。さらに、文部科学省が今年度初めて、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定した56高校で国際的な人材育成が進んでおり、「今後、SGHの生徒を中心に海外大への進学希望者はもっと増える」と予測する。
こうした状況を受け、大手予備校も海外大進学志望者の獲得に乗り出した。駿台予備学校は今年、日米のトップ大の同時合格を目指すコースを始めた。
40年近く前から留学相談に応じてきた和田塾(浜松市)は09年、地方でも海外進学を促進しようと、各地の学習塾と提携し、学校選びや手続きを支援する窓口を開設。海外大への進学や高校留学は年約100人に上る。大場規之代表は「全ての人に海外で学ぶチャンスを用意したい。インターネットなどでも海外の学校の情報は得られるが、どこまで信用できるかわからない。日本の学校の先生はノウハウがない。身近な塾が関わることで進路が海外にまで広がる」と語った。
ITの活用による校務の効率化など、教員の負担を減らす工夫が広がっている。
愛知県小牧市教委は2004年度、全市立小中学校で校務支援システムを導入した。学校ごとに児童生徒の成績や出欠状況を記録し、予定や連絡事項を書き込む。06年度には全教員にパソコン1台ずつを配備した。
当時、市立光ヶ丘中校長だった玉置崇・小牧中校長(58)が、教員たちが成績や出欠を手書きしているのを見て、「一般企業のように、学校でもITを活用できないか」と発案。同県の情報システム会社が開発した。市教委は維持費などに年間3億円をかけている。
光ヶ丘中では、教員間の連絡事項を電子掲示板で伝え、毎朝の職員の打ち合わせを週3回にした。手の空いた教員は校門で生徒を迎えている。空き教室などの利用状況もネット上で管理。全市立学校の教員らとメール交換が可能になり、他の中学校と部活動の練習試合などについて気軽に相談している。
08年度には自宅で作業できる機能も新たに設けられた。それでも、夜9時過ぎまで残っている教員もいる。野田幹広教頭(51)は「以前よりもかなり効率化されたが、メールが膨大になるなど処理に時間が取られることも増えた」と語る。
全国での校務支援システムの整備状況は、文部科学省が調査を始めた10年度は52.3%だったが、13年度には80.5%と急激に拡大。大分県では全県立学校でシステムを整備しており、今年度は大阪市も本格的に導入した。
しかし、教員の忙しさは解消されていない。昨年、日本が初めて調査に加わった経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本の中学校教員の1週間あたりの勤務時間は参加国・地域中で最長の53.9時間。このうち、課外活動の指導時間が7.7時間と平均2.1時間の3倍以上で、事務業務5.5時間も平均2.9時間の倍近かった。
文科省では今年、教員以外の力を有効に活用する「チーム学校」構想を掲げ、中央教育審議会で学校組織の総合力を高める方法について議論を始めた。今後10年間で事務職員を3000人増やし、事務業務を任せる計画だ。部活動への外部人材の活用も検討する。
教員の忙しさを軽減するため、情報交換を図る教員専用のSNS「SENSEI NOTE」を運営する浅谷治希さん(29)は「自治体からの調査回答や様々な申請書の作成など、先生たちは大量の事務作業に追われている。教材研究や生徒と向き合うなど、本来の仕事に全力投球できるようにすべきだ」と話している。
文部科学省の調べによると、精神疾患による教員の病気休職者は、2012年度で4960人。在職者全員の0.54%。精神疾患以外はほぼ横ばいなのに対し、精神疾患は近年、大幅に増えており、長時間労働や業務量の多さが問題になっている。
「教育ルネサンス」では、「先生はなぜ忙しいのか」(2006年11~12月)を、光ヶ丘中学校などの事例を基に考えた。(泉田友紀)
2000年に開学した立命館アジア太平洋大学(APU、大分県別府市)。学生の半数近くを外国人留学生が占め、グローバルなキャンパスが実現したが、卒業生の就職では悩みもある。
昨年11月中旬、同大であった「キャリア日本語1」の授業。留学生24人が六つの班を作り、企業の採用試験を想定した面接の練習に取り組んだ。
「長く話さず、要点を的確に」「話題を広げるには、日頃から新聞を読み、ニュースを見ていないと」。日本語で自己PRをする学生に、梅田千砂子准教授(62)が次々とアドバイスした。
「日本語の力を磨くほか、日本社会や文化についても理解を深めさせたい」と梅田准教授。韓国出身で国際経営学部3年の呉健茂さん(23)は「なぜ日本の企業で働きたいのかと問われるので、思考力も鍛えられる」。日本企業に就職し、発展途上国の経済に貢献するのが夢だ。
同大では授業の9割が日本語だけでなく英語でも行われ、日本語に堪能でない留学生でも学びやすい。昨年11月現在、学生約5800人のうち半数近い約2700人が留学生で、出身国・地域は75に上る。
毎年、卒業する留学生の3分の1の約200人が日本企業や外資系企業の日本法人に就職するが、離職したり、転職を繰り返したりする例もある。社内で下積みをしながらキャリアアップする日本企業の考え方に合わないためだ。企業トップがグローバル化を掲げても、社員に行き渡っていないことも多い。
2期生でウズベキスタン出身のズルフィヤ・シャフィエバさん(31)は、東京などの3社で働いた。一つのことを決断する際、ほとんど関係ない部署の承認を必要とする社内プロセスに疑問を持った。「学んだことや人脈を日本で生かしたい」と、一昨年3月にウェブ制作などを手がける会社を東京で起こした。
今村正治副学長は「留学生が日本社会に根づくことで、相互理解が少しずつ進む」と期待する。同大は今年、文部科学省が重点的に支援する「スーパーグローバル大学」の一つに選ばれた。今後は100か国・地域の留学生が学ぶキャンパスにし、教育、研究の質を世界レベルに引き上げる。多くの卒業生が社会で活躍する頃には、キャンパス外でもグローバル化が実現するかもしれない。
法務省入国管理局の統計によると、2013年に日本企業等への就職を目的に在留資格の変更を許可された外国人留学生は1万1647人で、01年の約3倍。「教育ルネサンス」では「変化の最前線」(2005年1月)や「世界と大学」(2012年12月)などで、立命館アジア太平洋大を取り上げた。(保井隆之)
※連載2000回を機に現場を再訪したシリーズは、今回で終わります。
「この手法は大学の物理の実験でも使うんですよ」。
昨年12月上旬、福島県立福島高校(福島市)で開かれた物理の勉強会で、県内から集まった高校生約35人に、講師役の東大生が半導体の性質を調べる実験について説明した。「東大生とはなかなか会う機会がない。少し身近に思えるようになった」と福島高校1年の山田竜也君(16)は目を輝かせた。
同校に協力し、東京から東大生を呼んだのは、一般社団法人「ふくしま学びのネットワーク」事務局長で、東大特任研究員の前川直哉さん(37)。教育情報会社「大学通信」によると、福島県は、高校卒業生に占める東大現役合格者数の割合が全国の中で低い。前川さんは、地域格差を埋めようと、東大生から学習方法のアドバイスなどを受けることで学習意欲を高める取り組みや、大手予備校の講師らによる「高校生無料セミナー」などを手がけている。
昨年3月までは、全国有数の進学校、私立灘中学・高校(神戸市)の教師だった。
自身も同校出身。20年前の1995年1月17日、灘高3年生の時、阪神大震災に遭った。自宅は無事だったが、両親が経営していた喫茶店が半壊。「大学受験は無理かな」と思った。
教師たちは自らも被災しているのに、同校に置かれた避難所の運営に奔走しながら、励ましてくれた。「形あるものは壊れるけれども、人が学んだことは壊れないし、なくならない」。教師の一人に掛けられた言葉が心に残り、東大を受験し、合格。教育に関心を抱き、卒業後、学習塾の講師を経て同校教師になった。
2011年の東日本大震災では、「人ごとではない」と、同校の有志の生徒を連れてボランティア活動に参加。被災地で子どもたちを支える教師たちの姿に、かつての恩師たちが重なった。「今、助けを必要としている場所で、あのときの恩返しをしたい」
同校を辞め、福島市に移り住み、地元の経営者や僧侶らと同法人を設立した。
大学受験に向けた学力を伸ばすだけでなく、原発や過疎など地域の直面する課題を解決する力も育てようと、昨年9月、東大の被災地教育支援のプロジェクトと連携し、「高校生社会活動コンテスト」を初めて開催。福島県内の高校生8グループが参加し、伝統芸能の保存グループの活動や、工芸品作りによる地域振興などを発表した。
9か月余り、福島の子どもたちと接してきた前川さんは、「震災後、多くの人に支えられてきただけに、学んだことを社会に還元するという気持ちが強い」と手応えを感じている。「その気持ちを実現していく手助けをし、若い世代が課題に立ち向かえるような力を伸ばしていきたい」