社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「線虫:尿でがん識別…患者のにおい好み近寄る」(3月12日付毎日新聞)、「がんを尿の匂いで発見…九大など、線虫を利用」(同日付 読売新聞)、古館伊知郎の「報道ステーション」など、線虫が胃がん病変部に選択的に吸着するという情報を取りあげていた。
元九州大学外科で犬の嗅覚を使って「がんの早期発見」をする研究をやっていた園田英人医師が、就職した民間病院で、サバの刺身を食って胃に線虫アニサキスの感染を起こした老人を内視鏡で治療する時に、虫体の傍に早期胃がんがあるのを発見した。そこで同大理学部の広津孝章崇亮(たかあき)助教に「線虫によるがんの早期発見」の研究を持ちかけた、ということらしい。
PubMedで調べると、藤田保健衛生大学の堤寛教授が1983年に類似症例を1例報告している。ただこの頃はピロリ菌発見(1984)の前で「胃がんの原因としてのアニサキス感染」という説が世界的に有力であった。今回の論文を読むと「アニサキスと胃がんの共存例」は世界でたった38例しか報告例がないらしい。
TVでも新聞でも「犬の嗅覚」と「線虫の(味物質・臭い物質に反応する)遊離化学受容体細胞」を一緒くたにして、報じている。危険なことだと思う。
線虫は英語で「(Nematoda)ネマトーダ」というが、「ネマトーダ」という言葉は小学生の頃、母から教わった。「野菜の根を食い荒らす悪い虫」という話で、実物は見たことがない。根をやられた野菜は枯れる。それで「ネマ」は根っこの意味だと思っていた。線虫という虫がいることすら知らなかった。
私は90年代の終わりになって、「ネマトーダ」が「線虫類」であり、カマキリのハリガネムシや「細胞の自殺(アポトーシス)」の発見につながった、長さ1ミリほどの実験動物「C. エレガンス(elegans)」も線虫であることを知った。02年のノーベル生理学医学賞はアポトーシス発見に対して与えられている。
C.エレガンスの「C.」はCaenorhabditisの略で「Caenorhabditis elegans, Maupas, 1900」が正式学名のようだ。Caenoは「食事する」、rhabdは「横たわった」、elegansは「優雅な」という意味だから、この線虫が餌の大腸菌を食べる様子から命名されたものであろうか…。
線虫は地球にいる動物のうち、知られている約110万種のなかで、約1万種と最も数が多く、未発見のものを入れると約100万種が推定されている。…
STAP細胞論文問題で、理化学研究所の野依良治理事長は23日、理研本部(埼玉県和光市)で記者会見を開き、一連の問題の最大の責任者は「現場の研究者」と述べ、「(責任著者の)小保方晴子・元研究員は責任重大だが、研究チームが(不正を)防ぐことができなかったことが大きな問題」と総括した。今月末で退任する野依理事長の後任人事は24日の閣議に提出され、松本紘・前京都大学長が任命される見通し。
野依理事長がSTAP問題で会見を開くのは、昨年8月以来。「私よりも(説明するのに)適当な理事がいた」と説明するなど、社会への説明責任について問題はなかったとの見解を示した。
理研調査委がSTAP細胞は存在しなかったと結論を出したことには、「大変遺憾」と述べ、組織として研究不正を防げなかったことを陳謝した。また、再調査の遅れなどを指摘されたことには、「社会の関心事やスピード感と(私たちのやり方に)隔たりがあった。今振り返れば、もっと早くやったほうが良かった」と述べた。
一方、別の万能細胞「ES細胞(胚性幹細胞)」が混入した経緯などが不明なままであることについて、「研究が虚構だったというのが大事な結論。真相は解明できたと思っている」と、今後の調査の必要性を否定した。
理研などを対象にさまざまな優遇策を認める特定国立研究開発法人の関連法案について、同日理研を視察した下村博文・文部科学相は「改革は一定のめどが立ったと考えるが、すぐ出す段階には至っていない」と述べた。【大場あい】
冷え込んだ関係の改善に向け発足した「日韓・韓日賢人会議」の表敬訪問を受けた安倍総理は、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領との間で「前提条件のない対話」を望んでいることを改めて強調しました。
福田元総理が座長を務める「日韓・韓日賢人会議」の表敬を受けた安倍総理は、国交正常化50年を迎える中、日韓の現状について「関係改善に向けて話し合いを積み重ねてきているところ」と述べました。そして、韓国の朴槿恵大統領とは「前提条件を付けない対話」を望んでいると改めて強調しました。
「隣国ゆえに日韓間には難しい問題は存在しておりますが、だからこそ前提条件を付けずに首脳間レベルにおきましても率直な話し合いを行いたい」(安倍首相)
表敬訪問後、韓国のイ・ホング元首相は記者団に対し、安倍総理のアメリカ訪問が「日米関係だけでなく、日米韓、ひいてはアメリカとアジアの関係、アジアをどう引っ張っていくかにつながる」と述べ、戦後70年という節目の訪米で総理が発信する歴史認識を含むメッセージに注目する考えをにじませました。(23日18:35)
菅官房長官は、国会審議の状況などに問題がなければ、安倍総理が4月26日から5月3日までの日程でアメリカを訪問する予定だと正式に発表しました。
「本年2月、米国政府から安倍総理に対し、米国への公式訪問の招待があったところであります。これを受け米側と種々調整を行ってきたところ、安倍総理は諸般の事情が許せば、4月26日から5月3日まで、米国のボストン、ワシントンDC、サンフランシスコおよびロサンゼルスの各都市を訪問する予定であります」(菅義偉官房長官)
菅長官は、このうち、安倍総理が4月27日から30日まで滞在するワシントンDCでは、オバマ大統領との首脳会談をはじめとする公式行事に出席する予定だとした上で、「今般の安倍総理のアメリカへの公式訪問は、強固な日米同盟を世界に示す上で大変有意義なものだ」と強調しました。(23日17:25)
公明党が憲法改正で新条項を加える「加憲」の対象から環境権を除外する検討を始めたことを受け、公明党を巻き込んで改憲の早期実現を目指してきた自民党内には困惑が広がっている。環境権の加憲はイメージが先行し、具体的な議論はほとんどなかった。自民党内からは「いずれは行き詰まったはず」などと冷ややかな声も聞こえてくる。
自民党の憲法改正推進本部の幹部は23日、「環境権もプライバシー権の論議とよく似ている。具体論に入った途端にいろいろな問題が出てくる。合意形成は容易ではない」と述べ、「環境権を加える改憲なら容易だ」との党内の主張を戒めた。
細田博之幹事長代行は同日の記者会見で、「(環境権で問題があるという)意見があることは今日知った」と語り、党内で環境権について詰めた議論がされていなかったことを印象付けた。
公明党が掲げる環境権の加憲に自民党が理解を示してきたのは、最初の憲法改正を「本丸」である9条からではなく、「理解の得られやすい条項から始めた方が、改憲が実現しやすい」との思惑からだ。
ただ、公明党内では昨年夏の衆院憲法審査会による欧州視察の後、慎重論が広がった。環境権と経済的な利益などが衝突する問題が各国で起きていたからだ。
23日に沖縄県知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設作業停止を求めたことに関連し、公明党関係者は、「環境権が憲法に盛り込まれていれば、この移設問題でも違憲訴訟を起こされていたかもしれない」と指摘。違憲訴訟で行政が停滞する危険性を強調した。
自民党内には改憲項目として、大規模災害時などを想定した「緊急事態条項」を先行させるべきだとの意見もある。だが、これについても私権を制限する議論となるため、自民党幹部は「『災害時の衆院解散延期』などに議論が収まればいいが、そうでなければ集約には時間がかかる」との見通しを示している。【高本耕太】