社会そのほか速
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わたらせ渓谷鉄道(群馬県みどり市)で1989年の開業当初から運行していた最後の車両「わ89―302号」の引退イベントが29日、行われた。
鉄道ファンなど約70人が、最終運行となる記念ツアーに乗車して別れを惜しんだ。
302号は、同鉄道の開業当時に導入された7両のうちの1両。丸いライトと可動式の背もたれが特徴で、当初はイベント用の車両として利用された。94年には皇太子ご夫妻も乗車され、地域住民やファンから愛されていたという。
ツアーの出発前には、大間々駅構内で、4月から運行する新型車両「WKT―502号」と並んで展示された。集まったファンらは、「さよなら302号」と書かれたヘッドマークや、「走行距離168万キロ」と書かれたポスターなどを熱心に撮影していた。
ツアーは午前と午後の2回、桐生駅―間藤駅(栃木県日光市)を往復して行われ、車内では302号のイラストや写真が入った記念乗車券やキーホルダー、ボールペン、定規などのグッズも販売された。沿線にはカメラを持ったファンが並び、手作りの旗を振る人もいた。
東京都品川区から家族や友人と4人で訪れたパート女性(50)は「東京からよく観光で来て、この鉄道に乗った。たくさん走ってお疲れさまと言いたい」と話した。
同鉄道は、最終運行を前に、職員8人が手作業で車両全体にワックスを掛け、ガラスなどもピカピカに磨き上げた。最後の運行を担当したのは、開業当初から運転士を務める内田聡行さん(44)。「ブレーキにくせがあるが、乗りやすい車両。もう乗れなくなるのはちょっと寂しいですね」と振り返った。
302号は今後、同じく初代車両で2013年3月に引退した「わ89―101号」と共に、大間々駅構内に保存展示される。
戦国武将ブームの先駆けとなった「名古屋おもてなし武将隊」のメンバー5人が卒業する「出立(しゅったつ)式」が29日、名古屋市中区の名古屋城二之丸広場で開かれ、大勢のファンらが別れを惜しんだ。
武将隊は2009年、名古屋開府400年に合わせて結成され、一部のメンバーを入れ替えながら織田信長や豊臣秀吉ら名古屋ゆかりの武将6人と陣笠隊4人が名古屋の魅力をPRしている。この日は、結成時から在籍する前田利家をはじめとする5人が出立式に臨み、演舞などを披露。半田市から訪れた利家ファンの榊原真弓さんは「毎回話が面白く、元気をもらっていた。5年間ありがとうと言いたい」と涙ぐみながら話した。
新たなメンバーは4月4日にお披露目される。
◇お年寄り、場所や時期特定
昭和期の鯖江の街を撮影した写真について、場所や時期を探る催しが29日、鯖江市本町の交流施設「らてんぽ」で開かれた。地元のお年寄り約10人が昭和30~40年代の風景など約20枚を眺めて特定していた。
写真は4月にも新設するスマートフォン用アプリ「鯖江今昔写真」で公開する。
鯖江の昔の姿を知る機会を設けようと、市産業観光ボランティアガイドの会などが企画。参加者は懐かしがりながら「この屋根の形は警察署」「病院があった場所だ」などと記憶を呼び起こし、「西山公園は昔スキー場だった」「日野川で水遊びした」と、昔話に花を咲かせていた。
催しの中心メンバーの久保田裕之さん(42)は「アプリで公開される写真を見るなどして、鯖江の昔の姿を様々な世代に知ってもらいたい」と話していた。
近江八幡市安土町の「安土城天主 信長の館」で、安土城をコンピューターグラフィックスで再現した映像「絢爛(けんらん)安土城」の映写が始まった。
上映は15分間で、30~40人の観客が200インチの大画面でシアター型の仮想現実(VR)を楽しむことができる。築城の総棟梁(とうりょう)を務めた岡部又右衛門が、織田信長とも接したイエズス会宣教師のルイス・フロイスを天主などに案内し、城下町を眺める趣向となっている。
入館料は3月末まで、大人500円、高校・大学生300円、小・中学生150円。4月からはそれぞれ600円、350円、170円。月曜休館。問い合わせは同館(0748・46・6512)。(小宮宏祐)
敦賀気比は29日の準々決勝で静岡(静岡)を今大会初のサヨナラ勝ちで破り、昨夏から2季連続でベスト4に進んだ。先制後、五回に追いつかれたが、九回にサヨナラ打で粘る静岡を退けた。昨秋の北信越、東海両大会の覇者による雨中の対決を約2万3000人が見守った。準決勝は大会第10日の第1試合で、夏春連覇を狙う大阪桐蔭(大阪)と対戦する。
初回、先頭の篠原涼選手が敵失で出塁すると、4番平沼翔太選手が二死二塁の場面で、先制となる2点本塁打を右翼ポール際に放り込んだ。五回に味方の失策などで一挙3点を奪われて同点に追いつかれたが、最終回二死一、二塁の好機に、2回戦の仙台育英戦でも決勝打を放った林中勇輝選手が勝負強さを発揮して左越え二塁打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた。
五回に自らの捕球ミスで同点の走者をかえした中堅手の山本皓大選手は「思ったより打球が伸び、判断を誤った。準決勝は集中して臨む」と話していた。
東哲平監督は「選手には集中力を切らしたら負けだと伝えていた。一戦一戦力をつけている」と目を細めた。
◇1球1瞬 サヨナラ打呼んだ選球眼
フルカウントからの6球目。真ん中への直球と思いきや、手元で外へ流れるように落ちた。読み通りの変化球、スライダーだ。思わずバットが出そうになるのを必死でこらえた。ボール。2番中井基継選手へのこの四球で、九回裏二死一、二塁。続く林中勇輝選手がサヨナラ打を決めた。
序盤に3点を挙げ、エース平沼翔太投手はこの日も四回まで被安打1と危なげなかった。だが、チームは得意なはずの守備からほころび始めた。五回に失策絡みでまさかの同点に追いつかれ、中井選手は七回の攻撃で「公式戦で失敗した記憶がない」という送りバントを失敗した。「平沼が3点もとられるはずがない」。動揺が気の緩みを招いた、としか言いようがない。
新チームの持ち味は堅い守りと、つなぐ野球。「守備とバントが得意」(東哲平監督)な中井選手はその象徴で、1回戦では2本の送りバントを確実に決めていた。だがこの試合、振り出しに戻された後の大事な場面で仕事をし損じた。
思い出せ。俺たちの野球を――。そう念じ、ナインで「延長戦になる前に試合を決めよう」と声を合わせて臨んだ最終回。迎えた好機でここ一番の集中力を発揮し、四球を選んだ。「どんな形でもいい。次につなかれば」と振り返った。
準決勝は、昨夏の準決勝で敗れた大阪桐蔭が相手。昨夏は「ベンチで何もできず、悔しかった」という中井選手は、「隙のない、つなぎの野球で先輩の借りを返す」と力を込めた。
(平井宏一郎)