社会そのほか速
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驚きの「砂糖新指針」。摂取量は総カロリーの5%未満が望ましい世界保健機関(WHO)が発表した、砂糖の摂取量に関する新しいガイドラインが話題になっています。WHOでは、これまで成人の砂糖摂取量を、1日に摂取する総カロリー量の10%未満が望ましいと定めていました。しかし、今回のガイドラインでは、生活習慣病の予防に望ましい水準として、従来の約半分にあたる5%未満という数字を出してきました。
この5%という数字を砂糖に換算すると、どれくらいなのでしょうか?平均的な成人の場合、砂糖の量でいうと約25gです。25gという数字だけを見ると、多いのか少ないのかわかりにくいと思いますが、炭酸飲料(350ml)を1本飲んでしまったらオーバーするぐらいの量です。
私たち日本人は、和食を作るときに砂糖をたくさん使うため、これを毎日のように守るのは厳しいと思います。
砂糖を摂り過ぎてしまったときは筋トレのような無酸素運動を
現代の食習慣を考えると、砂糖の摂取量を極端に減らすことは難しいでしょう。デザートなどは特別な日にしか食べないようにしなくてはなりませんし、市販の飲料はほとんど飲めなくなります。それは現実的に厳しいので、摂取量を減らすことばかり考えないで摂取した砂糖を消費することを考えるべきでしょう。
体内での砂糖・糖分の消費を増やすためには、砂糖から摂取された体内のエネルギー消費を増やすしかありません。そのためには、効果的な運動法を知ることが大切です。運動には二つの種類があります。ひとつは、脂質を主なエネルギー源にしている「赤い筋肉(遅筋線維・赤筋)」を使う運動です。代表的なものとして、ウォーキングなどのゆっくりとした運動が挙げられます。
もうひとつは、ブドウ糖が原料となり体内に蓄えられているグリコーゲンをエネルギー源にして行なう「白い筋肉(速筋繊維・白筋)」を使う運動です。これは無酸素運動といわれるもので、短距離走や筋トレ、スクワットなどに代表されるものです。
体を健康的に鍛えるには、この二つの筋肉を鍛えると良いですが、砂糖を摂り過ぎてしまったときなどは、筋トレのような「白い筋肉」を使う運動をしてみても良いでしょう。
過剰な糖分摂取の規制は、現代人の運動不足に対する警鐘
現代人の砂糖の摂り過ぎは、裏を返せば、体を動かしていない証拠でもあります。きちんと運動をしている人は、炭水化物や糖類をしっかりと摂らないと体が持ちません。WHOの過剰とも思える糖分摂取の規制は、運動不足となった現代人への警鐘ではないかと思います。
人間は「動物」です。しっかりと体を動かして、ある程度、甘い物が食べられるような毎日を過ごしたいものです。
(早川 弘太/健康コンサルタント)