社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ベンチャー起業はサンフランシスコでするのが流行の昨今ですが、南に下った昔ながらのシリコンバレーにもベンチャーはまだちゃんとあります。
ただし、10年前と違って駅前オフィスが人気。エンジニアやデザイナーの若者はサンフランシスコに住みたがるため、通勤に電車が使えることが好まれるからです。
さて、写真は、グーグルのお膝元のマウンテンビュー駅前商店街にあるQUIXEY(クイクシー)というベンチャーの窓に貼られた求人広告。QUIXEYはモバイルアプリのサーチエンジンで、例えば、「app to find best gas price in town(近所の最安値ガソリンを探すアプリ)」と検索すると、ガソリンスタンドごとの相場を教えてくれるアプリが並んで出てきます。QUIXEYの主要ビジネスは他社へのサーチOEM。携帯端末メーカー、モバイルブラウザ、検索エンジンなどと提携しアプリの検索を提供、毎月1億件の検索を処理しています。例えばAsk.comでappという単語を含んだ文章で検索すると右側にモバイルアプリが列記され、その下にSource:www. quixey.comと出てきますが、これがQUIXEYのパートナー経由のサーチです。
アプリのサーチエンジンの競合は複数ありますが、そのうちの一社で、QUIXEYと同じ2009年に創業されたChomp社は昨年Appleに買収されています。また、同じく2009年創業のベンチャーにはパリのAppsfireもあります。そうした中でQUIXEYの強みは、強力なエンジニアリングチーム。コンピュータサイエンスで全米でも有数のカリフォルニア大学バークレー校を卒業した共同創業者のリロン・シャピラをはじめ、ハイレベルな人材が集まっています。(サーチエンジンを作るには、相当レベルの高いエンジニアやサイエンティストが必要です。)
QUIXEYは3回の増資を通して2420万ドルを調達済み。これまでは全てのビジネスは無料、パートナーへのサーチの供給も全て無料でしたが、6月からは、検索結果に広告掲載を開始し、ここで儲(もう)けることをビジネスモデルとして事業拡大を図っています。これは、グーグルのビジネスモデルでもあり、サーチエンジンとしては王道でありましょう。
さて、かように前のめりでがんばるQUIXEYの社員数は現在約70名。さらに写真内にある通り14人を募集中で「リクルーティング・コーディネーター」と「ニューヨーク営業担当」の2人を除いては全て技術系ばかり。
しかし技術人材が引く手あまたなシリコンバレーでは、たとえ上昇気流に乗ったベンチャーでもガッツとノリだけで良い人材が雇えるわけではありません。実際、QUIXEYの求人の下には、福利厚生が書かれた紙が連なっています。いわく「オフィス内ヨガ」「毎日3食支給」「ジム会員」「健康保険100%負担」と、「いけてるシリコンバレー技術企業」としてはスタンダードながら、世の中全体から見ると極めて手厚い内容となっています。もちろん給料もシリコンバレーの大企業と同等かそれ以上でしょう。しかも賃料の高い駅前オフィス。
製品の方向性が固まったらガツンと増資して高コストで走り抜けるという、典型的なシリコンバレーのベンチャーがQUIXEYなのでした。
Vineは、元々ニューヨークの3人の若者が去年の6月に創業したベンチャーで、まだ製品もリリースされていなかった10月にツイッター社が買収しました。
これまでツイッターやフェイスブック上でのユーザー間のシェア(共有)の対象としては写真の方が非常に人気で、動画はなかなか大きくブレークしませんでした。このコラムの「鳴り物入りで終わったColor」(2012年11月21日掲載)で昨年紹介したColor社もフェイスブック上での動画シェアにトライしましたが、30億円以上を調達したのにもかかわらず姿を消してしまいました。
Vineの特徴は動画の制限時間が6秒なこと。ユーザはVineのモバイルアプリを立ち上げて録画してアップロード。できあがった動画はVineのアプリ上でも一般のブラウザーでも見ることができ、再生時には6秒の動画がループされ無限に繰り返します。
「6秒で何ができるのか」と思うかもしれませんが、これが意外に楽しめます。特に「ループになる」というのがミソで、たった6秒でもかなりの満足感があります。また、6秒をさらに分割して2秒のクリップを3個つなげてストーリー性を持たせたり、1秒を6個つなげてアートな雰囲気にしたり――といろいろなトライがされており、企業や映像アーティスト、ミュージシャン、俳優、コメディアンといったプロによる作品も多数あります。そうした中から特に人気のあるものを選んでつなげたVineベスト集的な動画がインターネット上のあちこちにあり、ついつい時を忘れて見入ってしまいます。
さて、数秒の動画のループは、実はこれまでも密(ひそ)かに人気がありました。インターネットアクセスのあるアメリカ人の6パーセントが見ている掲示板サイトRedditにもgifsというカテゴリーがあり、毎日多数の動画へのリンクが掲載されています(gifはそうした動画のフォーマット名です)。その中には面白いものもあれば、衝撃的なものもあります。多くの場合たったの数秒にエッセンスが凝縮されています。
考えてみると、どんなに長い動画でも、見どころはたったの数秒であることが多いものです。ペットのかわいらしいしぐさにしろ、列車事故にしろ、見たい「何か」が起こるのは一瞬。gif動画はそうした「何か」だけをループにすることで、短時間でたくさんの情報にアクセスしたいインターネットの先進ユーザーの心をつかんできました。そんなgif動画のアンダーグラウンド的な面白さを一般ユーザーでも楽しめるようにしたのがVineなのです。
よくも悪くも、人間が一つのことにフォーカスできる時間は年々短くなってきています。昔は「モノを読む」と言えば本を一冊読むことだったのが、ウェブサイトの1ページをあちこちつまみ食いするのが主流になり、さらにはツイッターの140文字を流し読みするようになりました。Vineは、こうした「関心を維持できる時間の短縮傾向」を動画に反映させたサービスと言えるでしょう。
なお、Vine、ユーザー登録せずに動画を眺めるだけでも楽しめますので、興味のある方はスマートフォンにダウンロードしてみてください。
前回取り上げたeNPS(従業員満足度調査)の結果を受けて、どのようにしてスタッフの満足度を上げていくのかを見ていく。
そのポイントは2つだと述べたが、まず着手すべきは「マイナスをゼロにする」こと。
なにせ、これを放置してしまうと、社内クレーマー度を高めかねない。組織にとって大きなダメージとなるのは疑いの余地がないのだ。
eNPSの結果を見ると、0~6の評価をした人の不満は、給料や労働時間など労務上の問題から発生していることが多い。そこで、それらの課題について、一つひとつ解決していく。
その1つが、前に「働き方のガイドライン」のところで見たように、現場からの疑問点や提案にはスピーディに対応すること。イレギュラーな課題は本部で検討し、対応策を周知させる。これだけでもかなり不満は解消される。
さらに、「キャリアステップ」をきちんと示すことも重要だ。
頑張って働きつづければ、やがて主任になり、園長になり、エリア統括になり……といった具合に、キャリアの階段を明確に示す。それに合わせた「給与テーブル」も明瞭にしておく。
こうした基準がしっかりあることによって、頑張ればキャリアは上がっていき、給料もアップしていくとスタッフは意識できる。そうした将来への見通しがあってはじめて、人はやる気になるものだ。
なお、キャリアステップには2つの道を用意しておこう。1つが「管理職」への道。もう1つが「スペシャリスト」への道。
スタッフみんなが管理職になりたいわけではない。技術そのものを磨きたい人もいる。そうした人たちが満足して働ける道も整えてあげることが肝要だ。
ちなみに、そんな複雑なものは創れない、と尻込みしてしまうNPOもあるだろう。しかし、こんなものはグーグれば出てくるし、社労士さんに相談すればテンプレートをくれるので、そこを自分たちなりに埋めれば良いのだ。まずは、できるところから。
次に、満足度を「ゼロから100に近づける」方法を見ていこう。
これにはいろいろな施策があるし、色々なモチベーションアップ方法は、ビジネス本であまた紹介されているので、自分たちに合った方法を選ぶといいだろう。
たとえば、経営者があれこれと口を出さずに、できるだけ権限を委譲し、スタッフを自主的に動かせるかたちを整える。これはスタッフの働きがいにつながっていく。
コミュニケーションの機会を意識的につくることも必要。社員旅行などの社内イベントや、研修、ミーティングなどコミュニケーションをとるための仕組みを整えていく。
こういうことは、どれかで爆発的に効果を生む、というよりは、細かいことをしっかり継続的にやっていって、ちょっとずつ効果を生んでいく、という形になる。ビジネス本を読んだり経営者仲間にヒアリングしたりして、良さそうなものはパクリ、試しつつ、効果出たら残し、出なかったら捨て、を地味に繰り返していこう。
単にやっていくだけだと経営者がバーンアウトするから、モチベーションを数値化し、向上を小さく祝っていくことで、経営者側のモチベーションも続いていく。そういう意味でも、eNPSはしっかり測り続ける必要はあるのだ。
そして割と肝心なのが、理念の浸透を着実に行うこと。
立ち上げメンバーは、経営者の「思い」に惹(ひ)かれて集まってくる人が大半なので、こちらが何もしなくても理念は浸透している。ところが、新しく入ってくるスタッフの場合、浸透のレベルはまちまち。
もちろん、わざわざソーシャル・ビジネスやNPOに参画しようというのだから、「儲(もう)けたい」という意識よりも「思い」を大切にする気持ちは強い。その気持ちに応えられれば、彼らの満足度は一気に上がる。
そこで、スタッフが理念を共有できる場を積極的に設けていくのだ。
たとえばフローレンスでは、「フローレンス・ウェイ」という行動指針を作り、それを冊子にして配っている。それだけだと本棚でホコリをかぶって終わりなので、毎日、朝礼で「今日はフローレンス・ウェイの何番を体現していきます」と発表してもらう。更には、会議室にはフローレンス・ウェイにちなんだ名前をつけた。まるでサブリミナルである。これも理念共有のための施策だ。
そのほか、自分たちの活動のテーマとなる現場へ、スタッフ総出で「見学ツアー」をしてもいいだろう。とくに本部スタッフの場合、現場から遠くなりがちで、当初の「思い」が薄れてしまいがちだ。こうしたツアーはそれを思い出すいい機会となる。あるいは、自分たちのテーマと関連する映画を見にいく、講演会を聞きにいくといった体験も、同じような効果が期待できる。
ベタだが、四半期に一回大きな会議を行い、そこで理念を体現した人を表彰していくのも手だ。フローレンスでは、ウェイを体現した人を褒める「ピカリパット」制度があり、一番褒めた人と褒められた人を両方表彰する。景品は特別休暇1日分チケット。景品が喜ばれるのもあるが、理念に照らして「良いところ」を探してもらうことで、理念が伝わっていく、という仕組みだ。
ところで、eNPSを実施した結果、あまりにも不満が続出する場合には、人材の選抜の仕方に問題がないかを検討してみる必要があるだろう。
自分たちの理念や働き方を、面接の段階でしっかり伝えきれていなかったり、その点を理解し共感してくれているかどうかを見抜けなかったりしている懸念が大いにありうる。
なので、eNPSからの教訓は、採用面接用のチェックシートに反映させることも忘れてはならない。
理念は時に最高の採用ツールになる。処遇では大企業に勝てないが、理念では勝ちうるのだ。それを利用しない手はない。
ある就職活動サイトの2014年の調査では、「出産後も仕事を続けたい」女子学生が、「定年まで働きたい」を含めて7割を超えた(※)。
一方で、「母親が専業主婦で、子育てと仕事を両立するイメージが持てない」「ワーキングマザーになるのは大変そう。自分には無理」と、両立に不安を抱いている女子学生が実は多いと、スリール株式会社の堀江敦子さん(29歳)は語る。
堀江さんが手がけているのは、そんな学生たちが、共働き家庭の子育てをサポートしながら、仕事と家庭生活をリアルに学べる“家庭内インターンシップ”プログラムだ。「ワーク&ライフ インターン」という名称で、2010年から都内近郊で事業展開している。
「子どもを預かるだけのベビーシッターサービスとは違います」と堀江さん。「学生のキャリア教育を目的としていることが特徴なのです」
受け入れ家庭の条件は、2歳~小学3年生の子どもを持つ共働き家庭。登録した学生は、保育士などの有資格者による36時間の研修を受けた後、週に1~2日、学生2人1組で担当する家庭に入り、3時間程度子どもを預かる。
「保育園のお迎えをしたり、一緒に遊んだり勉強を教えたり。学生の企画で誕生日会をすることもあります。お預かり時間終了後は、帰宅した母親、父親と夕食をともにしながら、仕事や子育ての体験談から、就職活動や恋愛の悩み相談まで、幅広く話し合える時間をつくっています」
既存のベビーシッターサービスのような単発利用ではなく、同じ学生が一つの家庭を4か月間担当する継続利用にこだわっている。
「実は事業を開始した当初は、単発利用でした。すると利用家庭のほとんどが月1回程度、本当に困ったときにしか利用せず、それでは子どももなつかず、学生もインターン体験から学べることが少ないことに気づきました。現在は月6回、4か月単位での継続利用を原則とすることで、学生と子ども、両親との信頼関係や絆が深まり、疑似家族のような関係性が築けるようになりました」
ベビーシッターを利用していたときは「ママはいつ帰ってくるの?」と口にしていた子どもが、このプログラムでは「お姉ちゃん、次はいつ遊びにくるの?」に変わったという利用者の声をよく聞くという。
料金は受け入れ家庭が月3万円(交通費込み)をスリールに支払う。スリールから学生には交通費のみを支給し、金銭的報酬はない。その代わり、キャリア勉強会や、全受け入れ家庭と交流できるイベントなどを定期的に開催し、学生が成長を実感できる機会を提供している。
プログラムを開始した2010年から現在までに参加した学生はのべ280人。1割は男子学生だ。受け入れ家庭は述べ70軒で、口コミで増え続け、常に順番待ちの状態だという。
堀江さんはどのようにして、このユニークな事業を思いついたのだろう。
小学生の頃から小さい子どもが好きで、進んで近所の子どもの世話をし、大学時代のアルバイトを含めると100人以上のベビーシッターを経験してきた。大学3年生のとき、女性起業家のもとで長期間、育児のサポートをしたことが、事業の原点となった。
「よく泣くお子さんで、一日中抱っこをしながら片手でミルクを作らなければいけないなど、壮絶な母親体験でした。自分は週数日だからできるけれど、365日一人きりで子育てをしたら、子どもに愛情が注げないときもあるのではないかと思いました。それよりも、保育士さん、祖父母、近所の人など、いろんな大人に100%ずつ愛されるほうが、子どもにとって幸せなのではないかと感じました。社会で子育てをシェアする重要性に気づいたのです」
また、そのとき初めて、将来、仕事と子育てを両立する生活がイメージできたという。「母親が専業主婦だったので、両立する自信がなかったのです。起業家という働き方にも触れることができ、社会への視野が広がりました」
大学卒業後、IT系ベンチャー企業に就職。そこで目にしたのは、ハードに仕事をこなすことが求められる職場で、定時までしか勤務できず評価を落とされるワーキングマザーや、両立を諦めて立ち去る先輩女性の姿だった。
「働きやすい職場環境に変えたいと思い、同期50人に声を掛けました。みんな、いいね!と応援してくれましたが、誰一人一緒に改善しようとはしてくれませんでした。愕然(がくぜん)としました。出産や子育ては他人事ではなく、自分たちの少し先の未来です。少し先の未来のために行動する人を増やさなければ、社会は変わらないと痛感しました」
自分に何ができるのか考え詰めていたときに浮かんだのが、「ワーク&ライフ インターン」の仕組みだった。これまでの経験と思いのすべてが凝縮したこのアイデアを事業化するため、2010年に退職し、同年、スリール株式会社を立ち上げた。
4か月間のインターンが終わると、学生は大きく変化するという。
「例えば子どもと一緒に歩くと、道の歩きにくさに気付くなど、社会への視点が広がります。自分も子どものときにこんなふうに手をかけてもらったのかと、親に感謝できるようになったという学生もいます。また、ワーキングマザーは決してスーパーウーマンではなく、いろんな人の手を借りながら奮闘している。その姿を見て、自分にもできそうだと自信がつき、一般職を希望していた学生が、総合職の営業に志望を変えたケースもあります」
少子化や核家族化が進む中、「世の中には“親になるための教育”が足りない」と堀江さん。今後は、企業や行政と連携して、このモデルを企業や学校、地域にも広げていきたいと語る。
(NPO法人ETIC. 吉楽美奈子)
(※)2014年7月実施マイナビ学生就職モニター調査から。2015年卒業予定の全国大学4年生及び院2年生対象、女子学生576人回答
世に下ネタは尽きまじ・・・ということでもないでしょうが、下品な会話によるトラブルは依然としてあとを絶たないようです。
特に、男性の一定年齢層以上の人たちにとっては、相変わらずコミュニケーションのつもりという感覚が根強くあり、それが繰り返される原因となっているようです。
そこで、言葉のセクハラ総集編として、下ネタオンパレードの事件を取り上げて、裁判所はどんな判断をしたのかについてみておくことにしましょう。普通裁判では、いろいろな発言を一括してとりあげて判断していますが、この事件ではめずらしく、下ネタの一つ一つを取り上げて丁寧にジャッジをしています。
その裁判は、水族館の運営などを行っている株式会社の男性従業員らが女性従業員に対して性的な発言をするなどのセクシュアルハラスメントを行ったとして処分されたことに納得がいかないとして、男性従業員らが訴訟を起こしたものです。(「懲戒処分無効確認等請求事件」平成25年9月6日大阪地裁判決)
裁判では、セクハラを理由に出勤停止処分と降格されたことに対して、セクハラはしていないので処分及び降格は無効であるとして争ったケースです。もちろん、言葉の正確な表現やどのような場面で言ったのかなどについての主張の違いはありますが、ここでは言った言葉とそれに対する評価だけを取り上げてみることにします。
裁判で取り上げられた主な言葉は、次のようなものです。
(1)「俺のん、デカくて太いらしいねん。やっぱり若い子はその方がいいんかな?」などと、浮気相手が本人の性器についてした評価の話をしたり、何度かにわたり、自らの性欲について、「夫婦間はもう何年もセックスレスやねん」、「でも俺の性欲は年々増すねん。なんでやろうな?」、「でも家庭サービスはきちんとやってるねん。切り替えはしているから」などと述べた。
(2)浮気相手が自動車で迎えに来ていたという話をする中で「この前カー何々してん」と言い、「何々」のところを相手にわざわざ言わせようとするように話をもちかけるなどした。
(3)落とし物の引き継ぎをする際に、耳打ちをするように「中にコンドーム入ってたわ」と言ったり、「そら年頃やから要るもんな」と言ったりした。
(4)セクハラ研修後に「あんなん言ってたら女の子としゃべられへんな」や「あんな言われるやつは女の子に嫌われているんやな」などと述べた。
(5)多くの女性従業員に、上から目線で一方的に、かぶせるように次々と、何回もしつこく「人生もっと遊ばなあかんで」、「なんで遊ばんの?」などと述べた。
(6)「いくつになったん?」、「もうそんな年になったん。結婚もせんでこんな所で何してんの、親泣くで」と述べたり、「もうお局(つぼね)さんやで、怖がられてるちゃうん」と述べたり「30歳にもなっても親のスネかじりながらのうのうと生きていけるから、仕事やめられていいなあ。うらやましいわ」などと述べたり「チケットブースの子はみんな遊び人や、開放的や」などと述べたりした。
(7)「夜の仕事とかせえへんのか?」などと述べたり、「女の子は男に甘える方がいいで」などとも述べたり、「素人と浮気しまくるのと風俗で毎月1万5000円ポッキリで身も心もすっきりしているのとどっちがいい」「お前の父さんも絶対浮気とか遊んだりしてるぞ」と述べたりした。
(8)具体的な男性従業員の名前を複数挙げて「この中で誰か1人と絶対に結婚しなあかんとしたら、誰を選ぶ?」「地球に2人しかいなかったらどうする?」と何回もしつこく聞いた。
処分を受けた側の認識としては「セクハラとは『相手方の意に反することを認識の上で』されることであるから、本件においては、相手が不快に感ずる発言があったとしても、対応や周囲の状況から、特に悪気なく発言したものであり、相手の意に反することを認識して行ったものではない」というのが、反論です。つまり、あくまでコミュニケーションの一環に過ぎないということです。
少し度の過ぎた下品な言動はともかく、こんな発言に近いものはあなたの職場にもありませんか。果たしてこうした発言は「冗談」や「コミュニケーション」で済まされるでしょうか。こんな発言が裁判ではどのように評価されたのかは次回で詳しくみていくことにしましょう。
(次回は11月4日掲載予定です)