社会そのほか速
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注文住宅事業を中心に展開する東日本ハウスは今年4月、東証第一部に市場変更し、これを「第3の創業」として、2020年にはグループ売上高1000億円をめざす。
ビール事業など多角化経営の失敗で倒産の危機に追い込まれてから10年余り。同社を再生に導いた社長の成田和幸さんは、「家づくりはお客様の夢の実現をお手伝いする仕事。お客様にとって何が一番いいかをいつも考えています」と語る。
当社がめざすのは、丈夫で長持ちする家づくりです。檜(ひのき)を使い、柱を太くした「檜・骨太の家」は孫の代まで受け継がれる「100年住宅」です。檜は日本の気候風土に合った最も住宅に適した木材です。
盛岡という東北発祥の企業として、東日本大震災を契機に、地震やエネルギーの問題に向き合いました。当社の独自技術を使って地震に強い構造を実現し、太陽光発電システムを価格据え置きで標準搭載しています。「自分の住宅のエネルギーは限りなく自分で創り出す」という考えに立った「エネルギー自給自足の家」です。
創業の精神として「学歴不問」と「実力主義」を掲げ、「人間性」を最も重視しています。住宅のような一生に一度の買い物は、窓口となる人の人間性に、会社と商品の信用のすべてがかかっているからです。社員には、常に「損か得かではなく、何が正しいか、お客様にとって何が一番いいかで判断するように」と言っています。
いつでもお客様の声を伺えるようにお客様相談室を24時間体制にしています。お客様からリフォームの相談や新規の注文住宅のご紹介も増え、好循環を生んでいます。
「お客様にとって何が一番いいか」を貫く信念は、私が注文住宅の営業を担当していた時から持ち続けてきたものです。家づくりはお客様の夢の実現をお手伝いする仕事です。私自身、お客様と一緒に家をつくることが大好きでした。高齢になると台所の火元が危ないと感じてオール電化の先駆けとなるキッチン商品を考案したり、できる限り長く住んでいただこうと、車イスでも通れるよう幅広い廊下を提案したこともあります。
私が社長に就任した2002年当時、グループ企業のほとんどが債務超過で、いつ倒産してもおかしくない状況でした。ただ、本業の注文住宅事業は一度も営業利益ベースで赤字になったことはありません。経営不振は本業以外に原因があることがはっきりしており、再建する自信がありました。社員に会社の状況を伝え、賃金カットに協力してもらいました。「社員の皆さんにお金を借りたと思っている。会社を立て直して(借りた分は)全部戻すから」と。
ファンドの支援を受け、多角化による負の遺産を整理し、社員の給与も戻しました。注文住宅以外の事業も、現在は元気になりました。2020年までのグループの経営目標に向けて、ホテル事業の成長も見込んでいます。
今月26日には、岩手県雫石町の「ホテル森の風」に、国内最大級のガーデニング公園「フラワー&ガーデン森の風」がオープンします。日本のトップガーデナーが庭造りの技を競う選手権も開きます。
会社が倒産危機の時は私のような「やんちゃくれ」の社長がよかったのでしょう。今後、住宅市場を取り巻く環境は厳しさも予想されますが、次代に向けて社員みんながワクワクドキドキするようなグループのビジョンを語ることのできる人を育てます。(談)