１８日午後５時ごろ、秋田県仙北市田沢湖生保内（おぼない）の乳頭温泉郷近くの源泉で、「男性３人が倒れている」と１１９番があった。県警仙北署や消防によると、３人は心肺停止状態で見つかり、一緒にいた別の市職員を含む計４人が病院に搬送され、男性３人の死亡が確認された。温泉の源泉に含まれる硫化水素で中毒になった可能性があり、当時の詳しい状況を調べる。

【資料写真で見る・乳頭温泉郷】多数の温泉宿で構成、現場は宿ではなく源泉付近

　亡くなったのは、いずれも仙北市在住で▽作業員の坂本栄さん（７８）▽同、羽根川次吉さん（６７）▽市職員の柴田政文さん（４２）。

　市によると、現場は市企業局が管理する「カラ吹（ふき）源泉」。別の市職員を含む４人は同日午前９時過ぎから現場付近で源泉の湯量を確認していたところ、坂本さんら作業員２人が急に倒れ、連絡を受けて駆け付けた柴田さんも深さ約２メートルの穴の中に折り重なるように倒れていた。

　カラ吹源泉は乳頭温泉郷から東約７００メートルにあり、施設内で源泉からの蒸気と水を混ぜ合わせ、田沢湖高原温泉郷に温泉を供給しているという。【池田一生、松本紫帆】