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火星探査などを進めるNASA(アメリカ航空宇宙局)は、3月5日、太古の火星には広大な海があったという研究結果を発表した。
発表によれば、火星に水があったのは43億年前。惑星の北半球にあたる部分、地表の19%が海(地球の17%を占める大西洋とほぼ同じ)だったという。また、水量は地球の北極海を超える2,000万立法キロメートルと推定している。
■ 太古の火星は2トーンだった?
この発表が正しいとすれば、太古の火星は上の画像のような上半分が青く、下半分が赤い2トーンの惑星だったことになる。もし、そのときに望遠鏡などがあれば、今のような赤い惑星とは違って見えただろう。
これらの研究結果は、ハワイにあるケック天文台やNASA観測施設、チリのヨーロッパ南天天文台にある大型望遠鏡を使った観測によるもの。研究を行ったNASAゴダード宇宙飛行センター(米メリーランド州)の科学者ジェロニモ・ビラヌエバ氏によると、
火星表面の水(H2O)と重水(HDO)の比率を測定することで、時間の経過でどれくらいの水分が大気から消失したかを計算した
という。また、火星から飛来した隕石なども調査し、総合的に43億年前の火星にあった水量を割り出したという。
■ かつては生物もいた? そして今は……
NASAの発表通り、もし太古の火星に海や‘‘万物の源’’である水があったとすれば、かつては生物も存在していた可能性は高い。
ちなみに、NASAは2014年12月に「火星の大気中にあるメタン濃度により微生物が存在する可能性がある」と発表している。今回発表された‘‘太古の海’’との関連性も含め、今後も興味が尽きないところだ。
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