川崎市川崎区の多摩川河川敷で同区の中学１年、上村（うえむら）遼太さん（１３）の刺殺体が見つかった事件で、逮捕された１７～１８歳の少年３人の供述が「上村さんに暴行した」との内容でほぼ一致したことが、捜査関係者への取材で分かった。これまで殺害への関与を認めていなかった１７歳の少年２人の供述が変わってきており、神奈川県警川崎署捜査本部は殺害に至るまでの３人の役割分担について、さらに詳しく聴取している。

【２人の過去の供述や上村さんと知り合った経緯】

　捜査関係者によると、１８歳の少年は「３人で暴行を加えた。自分が上村さんを殺害した」と供述。「（事件に）巻き込まれた」と話していた１７歳の職業不詳の少年は、「（１８歳の少年から）『お前もやれよ』と言われ、暴行を加えた」と内容を一転させたという。

　１７歳の無職の少年も「暴行に加わった」と話し始め、３人の供述内容は大筋で一致してきた。しかし、無職少年は「１８歳の少年が血を流して倒れている上村さんの近くでナイフを持っているのを見て止めようとしたら、『殺すぞ』とナイフを突きつけられた。暴行が始まる前はコンビニエンスストアに行っていた」とも話しているといい、捜査本部は３人の暴行への関与の程度について慎重に捜査している。

　現場から最も近いコンビニまでは、道のりで５００メートル以上ある。往復には時間がかかることに加え、遺体に切り傷や刺し傷のほか、多数の打撲痕も確認されたことから、捜査本部は暴行が一定時間、続いていたとみている。

　一方、捜査本部は、凶器とみられる刃物が工業用のカッターナイフ１本とほぼ特定した模様だ。首の傷が顔や腕の傷よりかなり深かったため、当初は複数の刃物が使われたとみられていたが、１８歳の少年の供述や遺体の傷口との照合で、矛盾がないことが判明した。１８歳の少年はカッターを持って行った場所についても説明しているものの、発見されていないという。【松浦吉剛、水戸健一、大場弘行】