社会そのほか速
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ただいまコメントを受けつけておりません。
昭和期を代表する作家の三島由紀夫(1925〜70年)が、64年の東京五輪を取材したノートが見つかり、23日までに発売された雑誌に内容が掲載された。選手のリアルな表情が生き生きと具体的に描かれ、三島の取材記者としての意外な一面がうかがえる。
三島は朝日、毎日新聞などの特派記者として五輪を取材。寄稿記事は全集にも収録されたが、ノートの全体像は分かっていなかった。
ノートには10月10日の開会式から各競技の模様、同24日の閉会式までを58ページにわたり記録。重量挙げで金メダルを獲得した三宅義信選手については「上げる前に、両手をつかへ天を仰ぎ、口をモグ※(※=くの字点)させる。更に上を仰ぎアウッと叫ぶ」と生々しく描写されている。
三島由紀夫文学館を運営する山梨県山中湖村が遺族より入手した資料から発見。佐藤秀明近畿大教授らが確認を進め、全文を研究誌「三島由紀夫研究(15)」に掲載した。実物は24日から同館で展示する。
文芸評論家の松本徹同館館長は「三島に国粋主義的な態度が現れていた時期だが、それが全く出てこない。日本を代表する作家として、国際的視野に立ち表現しようとした姿勢がうかがえる」と話している。