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ロシアのクリミア編入に欧米が初めて制裁を科して1年が過ぎた今、ロシアの銀行が体力を失っている。近代的な欧米型大手銀行を目指していたロシア第2位の銀行であるVTBは、その圧力がどれほど強いかを示している。
つららがVTBのロゴに垂れ下がる=ロイター
VTBの2014年決算は、不良債権の引当金が2倍以上に膨らみ、国際会計基準に基づく純利益は前年の1005億ルーブルから8億ルーブル(約1310万ドル)に激減した。自己資本利益率(ROE)は11.8%から0.1%に低下。一部のアナリストが予想していた通期決算の赤字はかろうじて免れた格好だ。しかし、同行が最初の9カ月は54億ルーブルの純利益だと明らかにしたため、最後の3カ月で46億ルーブルの損失を計上したことになる。四半期ベースの損失は09年以来初めてとなる。
VTBのムース副最高経営責任者(CEO)は、中央銀行の致命的に高い金利が引き下げられないかぎり、同行は今年「大幅な損失」に直面するとの見方を示した。
ロシアの銀行の大部分を占める他の国営銀行と同様、制裁だけでなく、さまざまな要因がVTBに打撃を与えている。
制裁は、ロシアの大手銀行を欧米からの資金調達から遮断した。それだけでなく、予想外の原油安と合わさり、影響をさらに拡大させている。こうした要因で今年の経済は約5%のマイナス成長が見込まれ、ルーブル安とインフレ率の上昇を招いている。
ロシア中央銀行は12月、ルーブルを支えるために主要政策金利を650ベーシスポイント引き上げ17%とした。その後中銀は同金利を、13日の100ベーシスポイント引き下げを含めて14%まで下げている。しかし、VTBのムース氏は、それだけでは圧力の緩和には力不足との見方を示した。
英調査会社のキャピタル・エコノミクスは、さらなる利下げが見込まれるとしたが、年末時点で12%との予想を堅持している。
■09年の不況以来最大の危機
ロシアの銀行業界は、09年の世界的な不況以来最大の危機に直面している。しかしながら、当時のロシア経済は、国際的な金融危機の影響を受けたものの世界景気の回復に伴い再び持ち直した。