社会そのほか速
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インド都市部の中流階級はしばしば、国土の小さいシンガポールやライバルである隣国の中国のような、東アジアで急速に台頭する国々が繁栄するさまを物憂げな感嘆をもって見ている。その裏でインド国民は内輪話では、インドの比較的高い貧困率を無秩序な民主主義のせいだとこっそり非難するか、表向きにはよく言い習わされた成長を阻むもろもろのものを理由に挙げたりする。
公務員の待遇を求める女性たちのデモ(2月19日、ニューデリー)=AP
それでも、インド国民は公式にも非公式にも、インドの成長に直接影響を及ぼすある一つの要因については関心を払っていない。その要因とは、女性が社会で働く意欲をそぐ文化的、習慣的な要因で、それらは成長の大きな足かせとなっている。インドは新興国の中でも、労働者としての女性の社会参加率が最も低い。国際通貨基金(IMF)が新たに公表した研究結果報告書によると、労働年齢にあるインド人女性のうち、賃金を得て働いている、もしくは職を積極的に探している人は3人に1人しかいない。インド自身のデータではその割合は27%とさらに低い。
先進20カ国のうち、この経済指標でインドよりも劣っているのはサウジアラビアだけだ。世界的に見ると、約半数の女性が就労しているか、もしくは求職中だ。東アジアをみると、63%の女性が労働力として社会参加を果たしている。女性の労働力は地域繁栄にとって重要なけん引役だ。
■大卒女性の就業率はわずか31%
インド人女性の雇用率が低いのは、単に仕事がないからではない。事実、衣料品からコールセンターに至る幅広い業界は、やる気があって能力のある労働者の不足が深刻だと不満を漏らしている。それでも実際には、過去10年の成長拡大局面においても、労働者としてのインド人女性の社会参加率は約7ポイントも低下している。
インドの労働市場における「ジェンダー・ギャップ」はいまや約50%で、G20のなかでも最も差が大きい国の一つだ。女性に能力がないというわけでもない。大学を卒業した中国人女性の就業率は81%であるのに比べ、インド人女性の大卒就業率はたったの31%だ。
ではインド人女性の就業を阻むものは何か。その答えはインドの保守的な社会的価値観に潜んでいる。その価値観は、きちんとしたまともなインド人女性は、家族の擁護の下、目の届く範囲である家にとどまることが善とされている。また、学歴のある女子にとって何が「適切な仕事」かを指す定義がある。