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オバマ米大統領のイランとの核交渉を失敗させようとするイスラエルのネタニヤフ首相と米議会共和党の同氏支持派の傲慢な動きが議論と憤りを呼んでいる。
交渉合意後に中東で何が起こりうるかについてはそれほど関心は払われていない。サウジアラビアや、そこまで深刻視していないトルコなど、イスラエルを除く昔からの米国の同盟国はこれを最も懸念している。シーア派が大多数を占めるイランを湾岸のみならずレバント(地中海東部沿岸)全域の覇権争いのライバルと見なすサウジアラビアとそのスンニ派の同盟国の怒りや恐怖を静めることに、ケリー米国務長官は特に注力してきた。
記者会見に臨むケリー国務長官(左)とサウジアラビアのサウド外相(5日、リヤド)=ロイター
ケリー氏は10日前リヤドで、核交渉で合意が成立しても「シリアやレバノン、イラク、アラブ半島などでイランが地域を不安定化させようとすることから米国が目を離すつもりはない」とサウジアラビア首脳に対して改めて約束した。
ケリー氏は「大幅な譲歩」が行われることはないとしている。2003年に米国はイラクに進攻し、シーア派主体の政府をアラブ諸国の中心地に樹立することでこの地域の秩序を一変させた。その後、アラブ地域においてイランが高めた影響力が固定されることを同国の敵対勢力は懸念する。
■イランの影響力、拡大
ケリー氏による確約にはいくつかの問題点がある。まず、イラクと交渉している米国や他の国々が、核問題と他の問題を分けて交渉を進めていることだ。交渉が大詰めを迎え、この姿勢を保つのが難しくなってきている。
第2に、イランのアラブ諸国での影響力が単に現実なものになっただけでなく、ほぼ間違いなく拡大していることだ。バグダッドからダマスカスを経てベイルートに至るイランの同盟関係が、今や非正統派のシーア派勢力が支配を確立したイエメンに広がりつつあるとスンニ派には映る。サウジアラビアはそこがイランの影響下にあるとみている。第3に、過激派「イスラム国」の勃興で中東の秩序が崩れ、従来の同盟関係が崩壊した。このことは「敵である一方で仲間」という奇妙な連携関係も生み出した。
先月トルコはシリア北部にある神殿からトルコ人を避難させたが、このときエルドアン大統領が前年にイスラム国と変わらないという烙印(らくいん)を押したシリアのクルド人武装組織と取引を行わざるを得なかった。イスラム国の支配地域に対する攻撃は行われなかったため、多くのアナリストはトルコ政府がイスラム国と何らかの合意をしていたと考えている。