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【北京・井出晋平】中国国家統計局が11日発表した今年1〜2月の工業生産は、前年同期比6.8%増と、リーマン・ショック直後の2008年12月(前年同月比5.7%増)以来、約6年ぶりの低い伸びとなった。また、同時に発表された投資や消費の統計も伸び率が鈍っており、不動産市場の低迷などを背景に景気減速が続いていることが鮮明となった。中国政府は、今年の経済成長率目標を3年ぶりに引き下げたが、景気が予想以上に冷え込んでいる可能性も出てきた。
中国の年初の統計は春節(旧正月)の影響で振幅が大きくなるため、中国政府は1〜2月をまとめて単月として発表している。工業生産の伸びは、14年通年(前年比8.3%増)から大幅に鈍化した。板ガラスの生産が前年同期比6.8%減少したほか、粗鋼生産も1.5%減少した。政府が過剰生産の解消を進めていることや、不動産市場の低迷で建材などの需要が鈍ったことが原因とみられる。
企業の設備投資や鉄道建設などインフラ投資を含む固定資産投資も、13.9%増と、14年通年(同15.7%増)から勢いが鈍った。製造業の設備投資が前年同期比で10.6%増にとどまった一方で、道路建設が25.5%増と大きく伸びており、政府によるインフラ投資が下支えした形となった。また、不動産開発投資は10.4%増と、14年通年(同10.5%増)から微減にとどまったものの、住宅販売面積は前年同期比17.8%減少しており、不動産市場の低迷が続いていることも浮き彫りとなった。
一方、消費動向を示す社会消費品小売総額も、10.7%増と14年通年(同12.0%増)の伸びを下回った。食料品・酒たばこの販売が鈍ったほか、宝飾品の販売が減少しており、旧正月の贈答品などが振るわなかったとみられる。
中国政府は5日に開幕した全国人民代表大会(全人代=国会)で、今年の国内総生産(GDP)の実質成長率の目標を、これまでの7.5%から7%に引き下げた。バブル経済につながりかねない都市開発などの投資主導から、消費主導への転換を加速させる意向で、所得の底上げや非効率な国有企業の改革などを進める方針だ。だが、最近の景気減速が鮮明になったことで、追加の金融緩和など景気下支え策を求める声が強まりそうだ。