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キリンビールの布施孝之社長(55)は11日、毎日新聞のインタビューに応じ、現在2位のビール類の販売シェアについて「何が何でもシェアをアップして、V字回復する。2021年までに首位を奪還する」と決意を語った。主力の「一番搾り」の関連商品の充実や、飲食店向けの営業を強化するほか、若者や女性らをビール離れから引き戻すため、小規模な醸造所で製法や原料にこだわって生産する「クラフトビール」などを活用する考えだ。
これまで同社は、販売規模には比較的こだわってこなかったが、布施氏はシェア低下に歯止めをかける考えを強調した。キリンのビール類シェアは09年は首位だったが、10年にアサヒビールに逆転された。14年は33.2%と大手4社の中で唯一シェアを落とし、アサヒに5ポイントの差をつけられた。布施氏は「昨年は業界で独り負けだった」と認めた上で「4月の消費増税以降、他社が新商品を投入したり、大型キャンペーンを実施する中、手を打たなかった」と問題点を反省してみせた。
今後は、全国9工場ごとに地元産の原材料を使い風味が異なる「ご当地版」ビールや、小麦麦芽を使用する「小麦のうまみ」など、主力ブランド「一番搾り」の関連商品を充実させる。家庭向けだけでなく、飲食店向けの営業を強化し、積極的に資金投入する。「一番搾り」全体では前年比6.6%増の3550万ケース(1ケースは大瓶20本換算)の販売目標を掲げる。
また、今年は「クラフトビール」に本格参入し、東京・代官山と横浜に製造拠点をオープンする。布施氏は「ビールは面白いと思ってもらえるような商品を提供したい」と話し、クラフトを武器に若者や女性など新たな需要の掘り起こしを進める考えを示した。
布施氏は、キリンホールディングスの子会社、小岩井乳業社長や、販売部門の事業会社、キリンビールマーケティング社長を経験。今年1月、マーケティング社兼務のままキリンビール社長に就任した。【神崎修一】