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[東京 5日 ロイター] – この春、市場が最も注目するのは賃金動向だ。米国では利上げ時期を2月雇用統計の時間当たり賃金で予想し、日本では経済の好循環に入れるか春闘で判断する見通し。デフレリスクが後退するとみられれば、物価の下落圧力が低下し、金利も上昇しやすくなる。一方、IT化やグローバル化の中では本格的な賃金上昇は期待できないとの声も根強い。
<米雇用統計の注目は時間当たり賃金>
日米では、この先の相場を占うイベントが接近している。
6日に発表される2月雇用統計。最大の注目点は、非農業部門雇用者数よりも、時間当たり賃金だ。雇用者数が増加基調にあるのは織り込み済み。「多少、悪化しても市場のセンチメントを損ねることはない」(国内証券)とみられている。
一方、時間当たり賃金が減少すれば、早期の米利上げ観測は後退し、最近上昇していた米金利は低下、ドル/円JPY=EBSにも下落圧力がかかる見通しだ。時間当たり賃金は前月比0.1─0.2%増を見込む声が多い。前年比では1.8─2.1%増だ。
市場予想通りであれば、1月の前月比0.5%増・前年比2.2%増から鈍化となる。しかし、昨年2月が前年比2.1%増と比較的高かったことの影響が出る可能性を指摘する声があるほか、最近の市場では米国での賃金上昇観測も根強い。市場予想から上振れれば、早期利上げ観測が強まる見通しだ。
<米国では大手企業の賃上げの動きも>
米国企業では最近、大手企業の賃上げが目立っている。小売り最大手ウォルマート・ストアーズ(WMT.N: 株価, 企業情報, レポート)は2月19日、時間給正社員およびパートタイム従業員の賃金を時間当たり9ドルに引き上げると発表。ファストフードのマクドナルド(MCD.N: 株価, 企業情報, レポート)とその加盟店も、時給引き上げを余儀なくされるとの見方も出ている。 続く…
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