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日本のウイスキーの父と称され、日本初のウイスキー蒸溜所である壽屋(現・サントリー)山崎蒸溜所建設に携わった竹鶴政孝氏。彼はそこで、単身スコットランド留学で学んだウイスキーづくりを実践して、国産初のウイスキーを世に送り出した。
その後、彼が理想とするウイスキーをつくるために独立。妻・リタの故郷であるスコットランドのハイランド地方スペイサイドによく似た北緯43度の北の大地、北海道・余市に蒸溜所を建設した。1934年のことである。
1961年、自身のウイスキーづくりの夢を生涯にわたって支え続けた最愛の妻・リタに先立たれた。氏は別れを惜しむあまり葬儀にも出席せず2日間部屋に閉じこもっていたと伝えられている。
しかし、氏はその悲しみを乗り越える。またウイスキーをつくり続けるという姿勢を貫く。新しいウイスキーづくりに挑戦し、ブレンドに没頭した。
妻の死から1年たった1962年に発売した「初号スーパーニッカ」である。政孝氏が息子・威(たけし/元・ニッカウヰスキー相談役)と共に余市蒸溜所の研究所にこもりきりでつくり上げたウイスキーだ。まさに亡き妻・リタに捧げる渾身のウイスキーとして誕生したのがニッカのプレミアムウイスキー「スーパーニッカ」である。
アサヒビールは、ニッカウヰスキーの歴史あるウイスキーブランドの復刻版シリーズ第3弾として今回、『初号スーパーニッカ復刻版』(700ml)を2015年3月24日から数量限定で全国発売する。
この『初号スーパーニッカ復刻版』は、1962年に発売した当時の香味やデザインを再現した商品。現存する当時の商品中味をニッカウヰスキーのブレンダーがテイスティングし、当時の香味を再現した製品だ。また、ボトルの仕様も当時のデザインをよりシンプルにし、レトロな装いながら洗練されたデザインに仕上げた。
アサヒグループは、ウイスキー市場が拡大しウイスキーに対する興味や関心が高まっているなか、復刻商品の発売や、ニッカウヰスキーの歴史やブランドにまつわる逸話、ウイスキーの楽しみ方などの情報発信を通じて、ウイスキー市場のさらなる活性化を図るという。
3月11日、この復刻版を発表した会場で、アサヒビールの専務取締役・平野伸一氏は、「ウイスキー事業は今後とも強化する。ニッカウヰスキーの創業者夫妻にちなんだ復刻版ボトルの発売のほかに、ウイスキー初心者に訴求するため、缶入りハイボールの品ぞろえを充実させる。…