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東日本大震災で被災し仮設住宅で暮らす男性が書いた詞に、鯖江市の音楽グループ「一途(いちず)」が曲を付けた歌「団地音頭」が、東北地方の復興を支援する全国コンテストの音楽分野でグランプリに選ばれた。「被災地に力を与え、『新しい東北』を創造する音楽」と評価された。13日に東京都江東区で表彰式が行われる。(渡辺彩香)
◇鯖江の「一途」 仮設住宅の男性が作詞
「一途」は、鈴木幸一さん(45)と弟の洋さん(42)、妹の青木美智子さん(39)のきょうだいで2008年に結成。通販代行業の傍ら、小中学校を中心に各地で公演し、自作の歌でいじめや自殺の防止、夢の実現などを呼びかける。宮城県内の仮設住宅や福祉施設を巡る「東北応援ツアー」も年2回行っている。
コンテストは、官民有志で構成する「エコジャパン官民連携協働推進協議会」の主催で、復興庁が特別後援。4部門に計89件の応募があり、「団地音頭」は音楽19件の最高賞に輝いた。
みんな笑顔で集まって 心ひとつで元気よく こよいひととき楽しもう 踊れ踊れよ輪になって 団地音頭でサアーサ 団地音頭でにぎやかに
明るく前向きな詞にぴったりの軽快なリズム。歌は、3人が12年夏に訪れた石巻市のツアーで、仮設住宅に住む安藤武雄さん(75)と出会ったことがきっかけで、誕生した。
安藤さんが「みんなの心を一つにしたい」との願いを込めて作った詞に3人が共感。「曲、付けてけろ」と頼まれて考えた。洋さんは「復興しようと懸命に生きる彼らの強さを曲に込めた」と言い、完成した歌を13年春のツアーでお披露目した。
歌はその後、石巻市で踊りのグループができるなど広がりを見せている。歌のタイトルが「団地」なのは、仮設住宅を出て団地に移った後も歌い継がれるように、との意味からだ。
もちろん、一途の公演でも「団地音頭」は披露されている。4日に越前市住吉町の恩恵(めぐみ)幼稚園に招かれた3人。「つらい気持ちに負けないぞという歌です」との紹介で音楽が始まると、3人の動きをまねして園児らもジャンプをしたり、手をぐるぐる回したりしながら楽しんだ。
青木さんは「仮設住宅から生まれた希望の歌をもっと多くの人に知ってもらいたい」と望み、幸一さんも「歌が、震災の記憶を心に刻む機会になれば」と話している。
表彰式では、一途と踊りのグループの総勢15人で、受賞作品を披露するという。