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空白区焦る政党…公募前倒し、「落下傘」頼みも

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空白区焦る政党…公募前倒し、「落下傘」頼みも

 安倍首相の衆院解散表明を受け、一気に高まる選挙ムード。

  その一方で、候補者が擁立できていない「空白区」を抱える政党の地方組織からは「急な解散で候補者を探す時間がない」と悲鳴が上がる。12月2日の公示までに残された時間は約2週間。各地方組織とも「不戦敗は避けたい」と、懸命に候補者を探している。

  ■来春予定が一転

  「もっと時間があれば、全国各地から集められたかもしれないのに……」。千葉4区の候補者を公募中の自民党千葉県連幹部は、あきらめ顔で話す。

  4区は、民主党の野田佳彦前首相の選挙区で、これまでその壁に阻まれ続けてきた。同県連は対抗馬を公募で探すことにし、当初は来春の統一地方選前後に候補者を決める予定だった。

  そこに突然、降ってわいた「解散話」。今月14日朝、県内選出の国会議員で急きょ協議し、予定を大幅に前倒しした。翌15日に募集要項を発表し、論文審査、面接を経て、24日に候補者を内定させるバタバタぶりだ。

  地元支部による調整の結果、受け付け初日の17日に県議が名乗りを上げ、支部はすぐに推薦を表明。18日までにほかに応募者はおらず、この県議の選出が有力視されている。県連幹部は「突然なので応募者が限られるのは仕方ない」と話す。

  ■全選挙区で未決定

  三つの選挙区がある富山県では、全ての選挙区で民主党の公認候補擁立のめどが立っていない。

  安倍首相が解散を表明した18日には、同党県連が唯一、具体的な検討に入っていた富山1区で、出馬を要請していた前衆院議員が政界引退を表明。選考が白紙に戻り、県連幹部は「衆院選まで時間がない」と焦りを隠せない。県内で候補者を擁立できなかった昨年の参院選に続き、「不戦敗」の可能性も出ている。

  1区では、再選を目指す自民党現職が出馬する予定で、共産党も既に立候補予定者を発表。維新の党は元県議を「野党統一候補」として、民主党に選挙協力を呼び掛ける構えだ。

  同党県連は18日、緊急会議を開いたが、具体的な候補の名前は挙がらなかった。高田一郎県連代表は記者会見で「前議員の断念で、1区はさらに厳しくなった。他の選挙区はゼロベースだ」と話した。

  ■「知名度はある」

  「落下傘候補」で巻き返しを図ろうとするのは自民党大阪府連。大阪11区は現職の伊東信久氏(50)(維新の党)、元官房長官の平野博文氏(65)(民主党)のほか、新人の三和智之氏(39)(共産党)が出馬予定の激戦区。府連が16日に急きょ擁立を決めたのが佐藤ゆかり参院議員(53)で、今は党の判断を待っている状態だ。

  有権者からは「ゆかりもない人が、なぜ」と戸惑いの声も上がるが、地元の自民党大阪府議は「来春以降の選挙を予想しており、準備不足は否めないが知名度はある。何とか巻き返したい」と話す。

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