社会そのほか速
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光は粒子?それとも波?いえいえ両方です。
という光の二重性を初めて可視化したのが、こちら。
スイス連邦工科大学ローザンヌ校が今月ネイチャーに発表し、大きなブレイクスルーと話題を呼んでいるものです。実験はFabrizio Carbone助教の研究班が行いました。
もちろんパシャッと撮ったって絶対肉眼で見れるようなものではありませんよね。ビジュアライゼーションの陰には、ある巧妙なトリックが仕掛けられています。それは一体なんなのか?
同大の論文発表のリリースに種明かしがありますので、訳しておきますね。
実験は次のように行われた。
レーザー光のパルスを小さな金属製ナノワイヤに向かって発射する。するとナノワイヤ内の荷電粒子にエネルギーが加わって振動を始める。光はこの小さなワイヤに添って2方向に移動する。高速道の上下線を走る車のように。
反対方向に流れる波動同士がぶつかり合うと、そこには新しい波ができ、あたかもその場に立ち昇るかのように見える。 ここで立ち昇る波がナノワイヤ全体に放射していくわけだが、これが今回の実験の光源となった。
実験では、ここである仕掛けを施した。つまり、ナノワイヤのそばに電子流を発射し、その電子を使って、立ち昇る光の波をイメージとして捉えたのだ。電子は、ナノワイヤ上に閉じ込められた光に触れると、その影響で加速あるいは失速する。このスピード変化が起こる場所を超高速電子顕微鏡で撮像することで、 Carbone助教の研究班は立ち昇る波(光の波動性の指紋のようなもの)を可視化したのである。
この現象は、光の波動性を示すものだが、同時に粒子性を示すものでもある。電子は立ち昇る波のそばを通過する際に光の粒子、つまり光子に「ヒット」する。上述のように、これで電子は加速あるいは失速する。 このスピード変化は、電子と光子の間でエネルギーの「パケット」(量子)が交換されていることの現れ。このエネルギーのパケットが発生していること自体、ナノワイヤ上の光が粒子として行動することを示すものなのだ。
「実験では史上初めて、量子力学的挙動 ―そしてその相矛盾する性質― が直に撮影可能なことが示されました」(Fabrizio Carbone助教)
この画期的成果の重要性は基礎科学の枠組みをこえ、今後のテクノロジーにまで影響を及ぼしそうだ。「今回のようにナノメートル単位で量子現象の視覚化とコントロールが可能となれば、量子コンピューティング実現に新たな道が拓けることになります」とCarbone助教は語っている。…