社会そのほか速
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沖縄・石垣島の北東、中国が一方的に設定した防空識別圏付近を読売新聞社の小型ジェット機「みらい」で飛んだ。眼下に広がる静かな光景とは裏腹に、国際緊急周波数に合わせた無線機からは、幾度となく英語と中国語の激しいやりとりが響く。ここは緊迫した空域なのだと改めて思い知らされた。
中国が尖閣諸島など南西諸島周辺での挑発行為を続けている。日本の領空に接近する航空機に対しては、航空自衛隊那覇基地(沖縄県)の第204飛行隊がF15戦闘機を緊急発進(スクランブル)させて対応する。防衛省によると、昨年度、空自は全国で810回に及ぶ緊急発進を行ったが、そのほぼ半数は那覇基地からだった。隊員の負担は大きい。しかし「こちらからは絶対に刺激しない。相手の挑発に乗らない。付け入る隙を与えない」とパイロットの三堀(みつぼり)優1尉(31)はきっぱりと語った。
中国艦船の動きを警戒監視するのは海上自衛隊のP3C哨戒機だ。操縦する第5航空隊の嶋田雄一2尉(28)は「国際法や行動規範を何度も確認し、対応を誤らないように備えている」と語り、「偶発的な衝突だけは絶対避けなければならない」と強調した。
自衛隊は5月、国内で初めての大規模な離島上陸訓練を奄美群島(鹿児島県)で行った。米海兵隊を参考にした水陸機動団の新設や、オスプレイの佐賀空港への配備検討など、離島防衛を強化することで南西諸島での抑止力を高める方針だ。緊張が続く東シナ海で、自衛隊は冷静な対応と組織作りを求められている。
写真と文 竹田津敦史
(5月22日から7月17日に撮影)