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プロ棋士5人とコンピューター将棋ソフト5種が戦う団体戦「将棋電王戦FINAL」の第2局が21日、高知市の高知城で指され、永瀬拓矢六段がソフト「Selene(セレネ)」を破った。永瀬六段が勝勢といわれていた局面でセレネに不具合が発生し、王手放置の反則負けとなった。プロ棋士側は第1局に続く連勝で、初の勝ち越しに王手をかけた。
盤上をにらむ永瀬六段(手前はソフト側の駒を動かすロボット)
将棋では、成れる飛車や角を成らないケースはごくごくまれ。セレネは、永瀬六段の指した「角を成らない手(不成)」を正しく認識できず、自玉への王手を放置して反則負けとなった。
終局後、セレネ開発者の西海枝昌彦氏は「情けない結果になって申し訳なく思っている。(不具合がなかったとして対局を)続けていても負け。悔いはない」と話した。
永瀬六段は「(事前の練習対局を通して不具合は)知っていたが、本番では修正されているかもしれないと思っていた。(自分の勝ちだろうと)自分なりに決断できる局面になった」と、不成を選んだ理由を語った。
立会人の三浦弘行九段は、「99%以上の勝ち(の局面)を、さらに100%に近づけようとした恐ろしい勝負師魂。同じ棋士仲間として震え上がっている」と永瀬六段の選択をたたえた。
日本将棋連盟理事の片上大輔六段は「ソフトと人が戦うとはこういうものだろうと思う。今日はソフトの特殊な面が見られたとポジティブに考えている」と話した。
将棋ソフトの多くは、通常は損になる「不成」の手をあまり読まない。そのため、「不成」はソフトの事前の読みを外して持ち時間を消費させる有効な手段といわれている。永瀬六段は、不具合がなかったとしても「(セレネの持ち)時間を削れる」と見込んで「不成」を選んだという。