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【気になるこの症状】3月3日は「耳の日」。50代を中心(約6割)に、働き盛り世代に発症が多いのが「突発性難聴」だ。年間受診者は約3万5000人と推計されている。発症から2週間以上放置すると治りが悪い。耳の聞こえの異常には十分注意しよう。
【原因不明の難聴】
耳の音を感じる部分(内耳・聴神経)の障害で起こる難聴を「感音難聴」という。そして、急性の感音難聴のうち、原因がはっきり分からない病気を突発性難聴と呼ぶ。東京医科歯科大学附属病院・耳鼻咽喉科(難聴外来)の野口佳裕講師が説明する。
「考えられている原因で有力な仮説は2つ。(1)耳の中の血流障害説と、(2)ウイルスによる感染説です。糖尿病や高血圧、心疾患などの基礎疾患がある人に多いといわれますが、明らかな因果関係は分かっていません」
生活調査では、不規則な生活、ストレス、疲労、多量の飲酒、西洋型の食生活などで発症が多い傾向がみられるという。
【鑑別難しい症例も】
検査は、耳鏡検査、聴力検査、眼振検査(めまいの検査)、MRI検査などを行い、他の症状の似た病気(急性感音難聴)との鑑別をする。
「特に鑑別が必要な病気は、内耳に何らかの原因で穴が開き、そこから外リンパ液という液体が中耳に漏れてくる『外リンパ瘻(ろう)』です。通常、ダイビングや飛行機の搭乗、はなをかむなど圧外傷で起こることが多いのですが、中には明らかな原因・誘因がない症例もあるからです」
突発性難聴と診断されて、治療をしても症状が改善しない症例の中には、外リンパ瘻がまぎれていることも十分考えられる。もし、外リンパ瘻で数週間も放置されていなければ、手術で治る可能性があるという。
【重症なら他科と連携】
突発性難聴では、いかに早く治療を開始できるかが重要になる。
「できる限り発症後1週間以内、遅くても2週間までに治療を開始しないと症状の回復は期待できません。1カ月経過すると、ほとんど難聴が固定してしまいます」
ただし、早く治療開始しても、難聴がひどい、めまいを伴うなどの因子があると予後が悪いという。
治療の第1選択肢は、ステロイド剤や血流改善薬、ビタミン剤などを組み合わせて投与(内服や点滴)する。それでもよくならない重症例に対して、同科では高気圧治療部と連携して血流障害を改善させる「高気圧酸素治療」を行っている。
「高気圧タンク内に入ってもらい、2.5気圧の環境下で100%酸素を吸ってもらいます。1回105分、週に5日、2週間続けて1クール。改善がみられれば、もう1クール追加する場合もあります」
効果には個人差があるが、非常によくなる患者がいるという。
《突発性難聴の症状》
★何の前触れもなく、突然、音の聞こえが悪くなる
★片方の耳に起こるのがほとんど
★耳鳴りも同時に起こることが多い
★3-4割の患者はめまいも同時に起こる
★難聴の悪化や改善は繰り返さない