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ファーマーズインシュランスオープン初日、11番ホール終了後棄権したウッズ。“強いウッズ”は果たして帰ってくるのか!?
タイガー・ウッズがファーマーズインシュランスオープン初日、途中棄権した。腰の痛みが再発し、「出場できる状態になるまでしばらくツアーを離れる」と発表した。
当初は3月初めのザ・ホンダクラシックに出場予定だったが、復帰はそれよりもかなり遅れそうだ。自動車事故をきっかけに2010年1月からツアーを休んだときはマスターズで復帰、状況は異なるが、今回も復帰はマスターズあたりではないかと予想される。
ウッズは、スイングが思うようにいかない、という。今年に入って満を持してウェイストマネージメントフェニックスオープンから出たが、2日目にプロ入り以来自己ワーストの82をたたいて予選落ち、その翌週の棄権だった。
以前ウッズのコーチを務めたハンク・ヘイニーは「完全にイップス」という。特に、ウッズ自身も認めるようにデリケートなタッチが求められるチッピングでスイング幅が決まらず、スイング中のヘッドの最下点が決まらないのでは、イップスといわれても当然か。
“ホワイトシャーク”グレッグ・ノーマンは、トーナメントから退きビジネスに専念しているが、「ウッズの復帰そのものは比較的早いだろう。だが、かつてのようなすごみのあるゴルフは戻らない。それでもメジャーであと1勝はするだろう」と復活を見守る。ウッズのメジャー勝利数は現在14。これではニクラスの18には届かない。
ウッズ自身が深刻には受け止めていないのが、せめてもの救いだろう。ガールフレンドの世界的アルペンスキーヤー、リンゼイ・ボンの応援に駆けつけ「ゴルフより大切なものもある」と話している。
ファーマーズインシュランスオープンはジェイソン・デイ、翌週のAT&Tペブルビーチナショナルプロアマはブラント・スネデカーと、実力派が勝利した。ウッズ不在のツアーの中心選手となり得る存在だ。12年フェデックスカップ王者のスネデカーは、世界ランキング4位まで浮上したが、その後はじり貧でペブルビーチ開幕前の同ランキングが63位と、WGCシリーズやメジャー出場も危ぶまれる中、この1勝で蘇よみがえった。昨年からブッチ・ハーモンをコーチとしていたが、ハーモンは「スイングのメカニズムよりもメンタル面を強調した」という。現在フェデックスカップポイント1位のジミー・ウォーカーや、薬物使用疑惑でツアー出場を自粛していたダスティン・ジョンソンもハーモンをコーチとしている。ジョンソンはペブルビーチで4位入賞、勝利もそう遠くないだろう。
文・岩田禎夫
週刊パーゴルフ(2015年3月17日号)掲載
岩田禎夫(いわた・さだお)
1933年生まれ、神奈川県出身。報知新聞にてゴルフをメーンとするスポーツ担当記者として活躍後、70年にフリーのゴルフジャーナリストに転向。以降、現在まで米PGAツアーを中心に世界のゴルフを追いかけている。
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