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試合を動かす巨人・鈴木尚広の足 37歳を迎えるシーズンでも進化する走力

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試合を動かす巨人・鈴木尚広の足 37歳を迎えるシーズンでも進化する走力

 試合を動かす巨人・鈴木尚広の足 37歳を迎えるシーズンでも進化する走力

 「スペシャリスト」がオープン戦で意識することとは?

  切り札。巨人においてこのフレーズがピタリと合うのは、この男しかいないだろう。今年4月で37歳になるベテラン・鈴木尚広外野手。俊足を生かし、塁上を駆け抜けてきた。

  オープン戦では珍しく0-0と緊迫したゲーム展開だった。3月6日の巨人-オリックス戦。先発の巨人・小山雄輝、オリックス・ディクソン両投手の好投などで、試合は無得点のまま7回を迎えた。

  7回表の巨人の攻撃。先頭の松本哲也がフォアボールで出塁した。ベンチから出てきたのは代走の「スペシャリスト」鈴木。オープン戦だが、果敢にスタートを切った。鋭いスライディングで二盗に成功。坂本勇人が進塁打となるセカンドゴロを放つと、続く高橋由伸のレフト前ヒットで鈴木はホームを踏み、先制点を奪った。これが結果的に決勝点。これまで何度も決勝のホームを踏んできた「スペシャリスト」の足はオープン戦でも健在だった。

 「こういうシチュエーションでないと、自分の中で試せないものがある。試合の展開、緊張感も走塁に左右するので」

  調整とはいえ、均衡した試合展開が来ることを望んでいた。得点差が開いた場面で代走に出されても、練習にならないのだ。今年初めてトライした盗塁を成功させ、得点につなげた鈴木は「自分の仕事はいかに勝ちにつなげる走塁ができるかどうかだと思っています。なので勝つための走りを追い求めている」と話す。

今年はさらに進化、オフに五輪金メダリストの清水宏保氏から学んだこと

  3月8日の阪神戦では、1点リードの9回に三盗を試みた。結果はアウト。サインではなく、自分の判断でスタートを切った。「今、この時期のオープン戦でないと試さないこともあるので」と、アウトになった感覚を大事にしてシーズンへ臨んでいくという。

  鈴木が盗塁を成功できる理由は、足が速いということだけではない。すべてを総合した「走力」がある。

  最も秀でているのは準備だ。「指示を待っているだけでは駄目。自分がここで使われるんだと試合中から想定して準備をしています」。試合の流れ、展開を読む。相手が継投でくれば、自分が代走で出たとき、どの投手が来るかなどを想定して準備している。だから、監督が代走を送る場面が分かるという。

  しかも、今年はさらに進化を遂げようとしている。オフは1998年長野冬季五輪スピードスケート金メダリストの清水宏保氏から「反応」について学んだ。…

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