社会そのほか速
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リーグ3連覇中の巨人は、昨季まで3年連続で1点差ゲームを勝ち越し。接戦での強さが、V3に直結していると言っても過言ではない。その理由として、豊富なリリーフ陣とともに試合終盤に出場する“スーパーサブ”の存在が挙げられる。
代走の切り札である鈴木、緻密なリードが光る実松、鉄壁の守備と走力が売りの寺内。この3選手はけがなどのアクシデントがない限り、ほぼ1軍メンバーとしてベンチ入り。スタメン出場こそ少ないが、勝負どころできっちり仕事をこなし、原監督の信頼も厚い。
今季も3選手がそろって活躍した試合があった。4月7日の広島戦(マツダ)。延長十一回、1死一塁で代走の寺内が二盗を決め、好機を拡大。同じく途中出場の鈴木が遊撃内野安打を放つと、寺内の好走塁が相手の失策を誘って勝ち越した。延長に入ってマスクをかぶっていた実松も好リードでリリーフ陣を引っ張り、勝利に貢献した。
全員が30歳を過ぎ、1軍での経験は豊富。“原野球”も熟知している。寺内は「ベンチにいるメンバーで話し合い、監督なら次はこうしてくるだろう、と予想しながら試合を見ています」と、試合中の舞台裏を明かす。
3選手に共通しているのは、試合前の準備に妥協を許さないこと。鈴木は全体練習開始前、トレーナーのサポートを得ながら入念なマッサージとストレッチを行うのが日課。“商売道具”の下半身のコンディションを整える。寺内は早出特打の常連組であり、練習では途中出場に備えて複数ポジションでノックを受ける。
実松は誰よりも早く球場に到着し、相手の研究に時間を割く。この姿勢は先発出場の予定がなくても、常に変わることはない。日本ハムや巨人で同僚だった小笠原(現中日)の影響を受けており「準備を怠って失敗したら悔しいので。変えることはないですね」。
混戦模様のセ・リーグ。接戦でいかに白星を拾っていくかが、ペナントの行方を左右する。寺内は「もちろん、スタメンで出たい思いはある。でも、責任が重たい場面で出場することが多いので、モチベーションは高いです」。一球に人生をかける男たちが、常勝巨人軍を支えている。
(デイリースポーツ・佐藤 啓)