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1泊2日のOMMレース。夜はテントで野営する(静岡県東伊豆町、写真 久保田亜矢 / OMM Japan実行委員会=以下同)
ランニングブームが続く2015年の日本。長距離レースの舞台は、硬い舗装路やトラックだけではない。街を飛び出し、山・森・海といった自然の中を本能のままに駆け回るランナーが増えている。トレイルランニング、トライアスロンなど自然そのままを競技コースにした「ワイルド」な大会に記者自身が参加し、その熱気と魅力を伝えたい。第1回は日本で初めて開かれた山岳レース「OMM」。
■英国発祥、日本では初レース
「一緒にOMMに出ませんか?」と友人に誘われた時、「オリジナル・マウンテン・マラソン」の意味とはすぐには分からなかった。山を舞台にした競技の略称だ。2人1組で地図を頼りにチェックポイントを回る競技で、発祥の地・英国では46年前から行われているという。楽しそうなので「出ます!」と即答。昨年11月の大会に出場し、山を駆け回り、時にさまよい歩いた。この競技、「トレジャーハンティング」のスポーツだ。
雨の中、スタートゲートに集まる選手
朝8時半。スタート地点の静岡県東伊豆町・細野高原は小雨と白い霧に覆われていた。雨具をまとって集まった約250人の選手は、みな少し大きめのザックを背負っている。レースはテント泊を挟んで1泊2日、補給・休憩のエイドステーションはない。食料、水に加え、防寒具、テント、寝袋など必要な装備を全て背負って走る。
スタート10分前、全選手にA2サイズの地図が渡された。この時までコースは明かされないのだ。東西6キロ、南北10キロの広大なフィールドを示す地図は、等高線で埋め尽くされ、数字を記した小さな円が20カ所余り点在している。これが我々の目指すチェックポイントだ。難易度によって付けられた点数は7点から60点までバラバラ。スタートやゴールから遠くにあると高得点で、近いほど低い。フィールドを自由に回り、制限時間(初日6時間、2日目4時間)内に集めた得点を競う。これが記者が参加した部門「スコア」のルールだ。もう一方の部門「ストレート」は指定ポイントを順に回り、ゴールまでの純粋なタイムを競う。
レースに誘ってくれた友人は地元出身。競技中、同じ組の2人は常にそばにいるのがルールだ。午前9時に一斉スタートし、まず真北にある30点のポイントに向かうグループと、北西の40点をめざす一団に分かれた。我々は北西組に加わった。上りは無理せず歩き、下りと平たんな道は軽く走る。このあたりはトレランのレース経験が生きた。林道と木の階段をたどって標高800メートルの山頂に着くまで約40分。高さ1メートル程度の目印が設置してあり、読み取り機にあらかじめ渡されたチップをさしこむと「ピッ」と音がなる。幸先よく40点をゲットした。