社会そのほか速
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女性の活躍を促すには、現状として、男性上司が女性部下をうまく育成する必要がある。
ただ、男性上司の目には、女性が男性より「キャリアアップに消極的」「意欲が低い」などと映ることも。女性の真意をくみ取り、うまく指導する方法を考えた。
大成建設(東京)の枌野(そげの)勝也さん(49)は、千葉県の高速道路工事現場の統括所長。女性の部下5人は全て20代の技術職で、男性が大半の現場で元気に働く。
枌野さんは女性部下にもよく声を掛け、信頼関係を築いてきた。だが、彼女らから「結婚したら現場を離れようか」という話を聞くこともある。「男性と同様に現場で経験を積んでほしいが、実は現場が嫌なのだろうか」と気になる。
同社が11月、男性上司を対象に行った女性管理職の育成研修でも、「女性は自分の将来性に線引きしているようだ」などと、女性のやる気を測りかねる声が挙がった。人事部の塩入徹弥さんは「女性は周りに女性のロールモデルがなく、キャリアアップに不安がある。男性上司も管理職候補の女性を育てた経験が少なく、戸惑っている」と話す。
「女性がやる気になれるかどうかは、上司の管理能力次第」と話すのは、リクルートワークス研究所(東京)主任研究員の石原直子さん。男性部下しか育てた経験のない上司は、男性と同じ反応を女性にも求めがち。女性が違う反応をすると「やる気がない」と思いこむ。その態度に、女性は「期待されていない」と感じ、消極的になるという。
加えて、結婚や出産などのライフイベントも、女性の働き方に影響する。こうした点を理解し、個々の事情を見極めるのが、女性部下の育成に重要だ。
日立ソリューションズ(東京)部長で、女性20人を含む125人のシステムエンジニアを束ねる斉藤秀暁さん(48)。「女性は意欲にバラツキがある」と感じたため、意識して話しかけ、現在の状況や希望を把握、それぞれが活躍しやすい環境づくりを心がけている。
例えば、「意欲がある」と感じた女性部下が育休から復帰した際は、彼女が午後5時になると帰宅するという事情を、取引先にも伝えた。取引先も配慮してくれ、女性部下は出産前と同じ仕事をし、成果も上げているという。
石原さんは「女性のやる気を引き出すには、期待し続けることが大事。『あなたならできる』『やってみようよ』と声をかけてください」と助言する。
女性部下の育成では、「コミュニケーションにも気を使って」と話すのは、多くの企業で管理職研修の講師を務める、キャリアアドバイザーの田島弓子さん。
まず、女性は共感を求めている場合が多いことを意識する。上司が素っ気ない態度を取ると、やる気を失いがちだ。「日頃の頑張りを認め、話をじっくり聞いてあげて」
また、男性より女性は自己肯定感が低い傾向があり、昇進を打診しても「自分にできるのか」と考え込みやすい。それを「やる気なし」と取らず、「もっと成長できる」「チームに貢献して」と背中を押すといい。女性は自らの成長を実感でき、周囲に認められる点を重視するからだ。
逆に、失敗した時は、女性は外に原因があっても自分を責めることがあり、頭ごなしに叱ると追い詰めることになるので避けたい。声の掛け方での注意点は他にもある=表=。
女性の側も、「私なんか……」「生意気と思われるかも」と内向きにならないよう意識したい。「会社のため、チームのためになると考えて動けば、きっとやる気が伝わるはずです」(宮木優美)