社会そのほか速
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Q 厚生年金に加入した人は、実際にはいくらぐらい受給していますか。
A 会社員が加入する厚生年金は、勤めていた期間が長く、賃金が高かった人ほど、金額が多くなる仕組みです。
では、会社で長年働くと、受給額はどうなるでしょうか。厚生労働省が、厚生年金に20年以上加入していた人の年金額を集計したところ、平均月額は月14万8422円でした(2013年3月末現在)。厚生年金の加入者は、65歳以降に基礎年金(国民年金)も受給できます。このデータには、本人名義の基礎年金の金額も含まれています。
受給額を男女別に見ると、男性の平均が約17万円なのに対し、女性はその6割の約10万2000円しか受給していません。女性は出産や子育てで仕事を離れたり、低賃金のパートなどで働いたりする例が多いからです。
このデータで厚生年金の平均加入期間を見ると、男性が36年5か月なのに対し、女性は10年ほど短い26年3か月となっています。加入期間中の年収の平均額(推計値)も、男性が494万円、女性320万円と、170万円余りの開きがあります。こうした格差が、老後の年金額にも反映しているのです。
男女格差を是正するためには、子育てをしながら働きやすい環境を整えることが必要です。厚生年金には、育児休業や産前産後休業を取った期間中の保険料を免除する仕組みが設けられています。
ただ、女性が出産を機に離職するケースも多いため、保育所の整備など、年金制度の枠を超えた支援をさらに拡充することが欠かせません。
ところで、まだ受給が始まっていない人で、将来の受給額が気になる人も多いでしょう。以前もこの欄でお伝えしましたが、日本年金機構は受給見込み額を知らせるサービスを実施しています。
50歳代の加入者は、毎年届く「ねんきん定期便」に、現在と同じ条件で年金制度に加入し続けたと仮定した将来の見込み額が記載されています。40歳代以下の人も、日本年金機構ホームページの「ねんきんネット」というサービスで、見込み額を試算することができます。(大津和夫)