社会そのほか速
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米国では、白人警官が過剰防衛で黒人を発砲して死亡させる事件が相次いでいることから、警官に小型のカメラを装着させる警察が
増えているが、それが新たな問題を生んでいる。撮影した映像をどう分析して処理するか、さらには膨らむ一方の映像をいかに保管するか
といった問題だ。
コロラド州北部ラリマー郡の検察当局は、ある事件現場で警官が装着していたカメラが写した十数本の映像を、何時間もかけて凝視
し続けた。それは、飲酒運転でドライバーを逮捕した事件だった。
同郡のクリフォード・リーデル検事長は、自分のオフィスは60台に上る警官のカメラの映像であふれており、仕分けする専門家を増やす
必要が生じていると語った。同検事長は「カメラが写した膨大な映像がある。かつては事件で映像を見るのは異例のことだったが、今では
標準的な手順になっている」と語る。
警官が制服や眼鏡に小型カメラを装着することで、警官の行動に関する透明性が向上し、行動の改善に役立つとの点で、多くの専門家
の意見は一致している。しかし、その結果、警察や検事は映像の証拠をいかに整理し保管するかで頭を悩ませることになった。
アリゾナ州立大学のマイケル・ホワイト教授(犯罪学)によると、全米で約1万8000の警察署のうち4000~6000カ所でカメラが使われて
おり、警官は通常車を停車させたり、事件に遭遇したりするとカメラを回し始める。
昨年8月にミズーリ州ファーガソンで白人の警官が丸腰の黒人青年を射殺した事件のあと、カメラ装着の動きが全国的に広がった。
今週にはサウスカロライナ州チャールストンでも白人警官が黒人男性を射殺し、同州議会ではすべての警官にカメラ装着を義務付ける
法案への支持の声が出てきている。
しかし、警察支援団体「警察幹部リサーチ・フォーラム(PERF)」のリンゼー・ミラー上級研究員によれば、映像保管や専門家採用の
コストのためにカメラの本格導入に、二の足を踏む警察署もある。ミラー氏は、「カメラ自体は高価すぎるというわけではないが、データの
保管が何年にも及ぶと法外な費用になるのは間違いない」と話す。
ミラー氏によれば、多くの警察では重要度の低い映像の保管期間は30~60日間。ただ、犯罪に関するものは長く保管され、殺人事件の
映像については無期限に保管することを求める州もある。その一方で同氏は、カメラの装着の利益はコストを上回るという意見がコンセンサス
となっていると語る。同氏によると、カメラで警官による暴力も市民の不満も減少すると期待できる調査結果があり、市民の不満に対する調査
や訴訟の費用が抑制される可能性があるという。
シアトル警察は、警官が撮影した映像をユーチューブで公開する方法について悩んでいる。この問題は、昨年、映像への情報開示請求に
よって浮き彫りになった。最終的に同警察はユーチューブのチャンネルを開設し、プライバシーに配慮して音を消し大きなぼかしを入れた
ビデオを公開し始めた。ビデオを載せるのは手作業で行われている。将来的には不適当な部分を消去した音声を付けるための準備を
進めている。
同警察のマイク・ウェイジャーズ警官は、「市民が警官の不適切な振る舞いを撮影したらどこに公表するだろうか?ユーチューブだ。
だから、われわれもユーチューブに載せる」と述べた。
ソース(ウォール・ストリート・ジャーナル日本版) http://jp.wsj.com/articles/SB11340384235203263823104580571322634229454
写真=撮影した映像に仕分け番号を入れるため眼鏡に付けられたカメラをパソコンに接続するユタ州ウエストバレー市の警官 George Frey/Getty Images
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-HU834_COPFOO_G_20150409161401.jpg