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◇15年の国連世界防災白書
日本で潜在的に起きうる噴火による経済損失を年平均で示した「平均年間損失」は、約112億ドル(約1兆3600億円)と推計され、世界で最も高いことが分かった。仙台市で14日始まった国連防災世界会議に合わせて公表された、2015年の国連世界防災白書で報告された。白書は噴火による経済損失を風水害や地震よりはるかに小さく見積もるが、世界の活火山の約1割が集中する日本のような火山国の損失は深刻だと強調している。
白書は2年に1度公表されているが、火山の本格的なリスク評価が示されたのは今回が初めて。アジア太平洋地域の活火山を対象に、噴火時に降灰がある地域を確率論的に導いた。その上で、火山灰により将来見込まれる全損失を1年あたりで平均した値(平均年間損失)を算出した。
それによると、日本の平均損失は約112億ドルと最も高く、インドネシア約59億ドル、フィリピン約5億ドルと続いた。日本は世界の活火山の7%が集中していることに加え、経済規模が大きいことが想定損失額の拡大につながったとみられる。火山灰による影響は交通、農業、精密機器から健康被害まで多岐に及ぶ。10年にアイスランドで起きた噴火では、降灰による交通、物流のまひで約50億ドルの損失が出たとされる。
白書によると、世界の活火山の100キロ圏内に暮らす人口は8億人以上。インドネシア、フィリピン、日本の順に多いが、全人口に占める割合ではグアテマラやアイスランドで9割を超えている。観測技術の進展により過去100年で5万人の命が救われたとする一方、10キロ圏内に約570万人が暮らす世界で最も「危険」なメキシコ中西部の火山地域には、観測システムがないことなどが報告されている。【八田浩輔】