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◇大阪大の研究グループ 大きさは10ナノメートル
がんに薬を効率的に取り込ませる10ナノメートル(ナノは10億分の1)の微小粒子の開発に成功したと4日、大阪大の研究グループが発表した。細胞死を引き起こすRNA(リボ核酸)の一種を使った実験で、副作用なくマウスのがんの増殖を抑えられたという。論文は5日、米国のオンライン科学誌プロスワンに掲載される。
RNAの一種「siRNA」は特定の遺伝子を働かないようにでき、新世代の抗がん剤として注目されている。しかし、血中で分解されやすいため注射では使えず、がんまで運ぶ方法の開発が必要だった。また、これまで開発された粒子は大きさの面から、運ぶ効率が悪かった。
阪大の山本浩文准教授(消化器外科学)らのグループは、siRNAにカルシウムとリン酸、炭酸を混ぜて塊にし、超音波で砕いて10ナノの球状の粒子にすることに成功した。血中で分解されにくくなり、がんが増殖しているマウスに週3回注射すると、18日目には、がんの大きさが従来の方法の3分の1に抑えられたという。
山本准教授によると、がんの近くの血管は、壁に隙間(すきま)が多く、微小粒子が漏れ出てがんに達しやすいという。研究グループは、効率のよさから、粒子を「スーパーアパタイト」と名付けた。山本准教授は「大型動物や人でも使えるか調べる必要がある」と話している。【根本毅】