川崎市発注工事の入札を巡る官製談合事件で、市が公園整備工事費の最低制限価格の積算ミスをしていたにもかかわらず、誤った最低制限価格と一致する金額で造園工事会社「川崎工苑建設」が落札していたことが分かった。

　　この事件では、市技術監理課職員の田代竜三容疑者（３８）が官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の両容疑で、同社役員の本多研一容疑者（５０）が同妨害容疑で８日に逮捕されている。

　　市によると、田代容疑者は、工事に必要な経費として最低制限価格を設定する役割を担っていた。だが、コンクリートの単価を誤って積算しており、誤った最低制限価格のまま落札されていたという。最低制限価格は発注側が設定し、入札前は非公開となっている。最低制限価格を上回り、最も低い金額を入札した業者が落札できる。

　　開札後、入札に参加していた別の業者から積算に関する疑義申し立てがあった。市が正しい単価で積算し直したが、落札者が変わらなかったため、同社が工事を請け負ったという。