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婚活支援・防犯カメラ…地方創生、知恵比べ

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婚活支援・防犯カメラ…地方創生、知恵比べ

婚活支援・防犯カメラ…地方創生、知恵比べ

地方創生に向けた国の交付金(総額4200億円)の使い道について、各自治体が知恵を絞っている。

 婚活支援、防犯カメラ、商品券……。ユニークな事業が並ぶが、どんな事業が「地方創生」につながるのかは必ずしも明確でなく、単なるばらまきに終わらせないための工夫が求められそうだ。

 ◆一気呵成

 1970年の大阪万博に合わせ街づくりが進んだ大阪・千里ニュータウン。街路樹の老木化が進んでいるため、吹田市は交付金6000万円を充てて倒木の危険性などを調べる。元々、新年度予算に計上予定だったといい、「基金の取り崩しを減らせた」と担当者。

 交付金支給が決まったのは昨年末だ。自治体側は2014年度補正予算案に事業を盛り込まなければならず、急ピッチでの検討を強いられた。地元産品を海外に売り込む事業などを展開する愛媛県の担当者は「内容を決めるまで3週間ぐらいしかなかった。一気呵成(かせい)に予算化した」と語る。

 ◆創意工夫

 各自治体の「知恵比べ」となったのが「地方創生先行型」交付金。今後3年間で防犯カメラ1000台を設置する兵庫県伊丹市は、費用の一部に交付金を充当する予定で、藤原保幸市長は「治安を良くし、『選ばれる街』にしたい」と狙いを語る。

 婚活支援に乗り出すのは京都府。4年間で1000組の成婚を目標に、相談窓口を設置したり、セミナーを開いたりする。愛媛県八幡浜市は、閉校になった学校の校舎を利用し、ミカンの収穫を手伝うアルバイトの宿泊施設を整備する。

 観光振興に力を入れる自治体も。京都府宇治市は、鵜(う)を綱でつながず、自由に泳がせて魚を取らせる伝統漁法「放ち鵜飼い」の復活に取り組む。

 ◆経済効果 

 「地域消費喚起・生活支援型」の交付金では、「プレミアム付き商品券」を発行する自治体が多い。大阪市は夏頃、市内の登録店で使える商品券(1万2000円分)を1万円で販売。神戸、京都、堺各市などもプレミアム(上乗せ)率を20%とする予定だ。

 交付金については「統一地方選を意識した政府のばらまき」(ある自治体の担当者)との声も出ているが、児童福祉施設に入る子どもたちへの1万円分の図書引換券配布などを行う兵庫県の井戸敏三知事は「消費はばらまかないと増えない」と肯定的だ。

 みずほ総合研究所の風間春香・主任エコノミストは「自治体の工夫次第では、予想以上の経済効果が表れる可能性はある。ばらまきに終わらせないためには、国が取り組みを整理、検証するべきだ」と指摘している。

 ◆地方創生に向けた国の交付金=景気の下支えなどを目的とした「地域消費喚起・生活支援型」(2500億円)と、地域の実情に応じた取り組みを支援する「地方創生先行型」(1700億円)の2種類。人口規模などに応じ、すべての都道府県、市区町村に配分される。政府が昨年末に閣議決定した緊急経済対策に盛り込まれた。

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