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四日市公害の歴史と教訓を伝える「四日市公害と環境未来館」が21日、三重県四日市市の市立博物館と同じ建物にオープンした。開館式には公害の資料を提供した沢井余志郎さん(86)ら約200人が出席。沢井さんは「公害を二度と起こしてはならないということを学んでほしい」と語った。
沢井さんは、大気汚染によるぜんそく被害が明らかになった1960年代前半、被害を記録しようと患者の多い地区に通い詰めた。初めは、「帰れ」とどなられたが、患者たちは少しずつ胸の内を明かすように。68年に、ガリ版刷りで始めた文集「記録『公害』」の発行は99年まで続いた。
「死んでしまうのでは」と思うほどのせきに苦しんだ人たち。「患者の思いを知ってほしい。その一心だった」と振り返る。
沢井さんは、歴代市長に公害資料館が必要と訴え、97年の市制施行100周年に合わせて公害訴訟の資料やフィルム約500本分のネガなどを市に寄贈。資料は環境未来館で保管、公開される。
式には、公害訴訟の原告で唯一存命する野田之一さん(83)も出席。「患者の写真を見るのはつらいが、後世に伝える資料なので残してくれてありがたい」と語りかけられた沢井さんは「若い世代に公害の歴史を伝えたい」と答えた。