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65歳以上で肺炎球菌ワクチンの接種を希望する人が増えている。政府は医療・介護費削減の一環として高齢者の肺炎予防の推進を掲げ、昨年10月1日以降、高齢者の肺炎球菌感染症を定期予防接種の対象に加えた。
「うちの医院では、例年の数倍の勢いでワクチン接種に来る人が増えています」
そう話すのは東京都江東区医師会理事、浅川洋医師だ。費用の一部が公費助成となるため、経済的負担が少なくて済む。自治体によって異なるが定価の半額程度で、江東区民の場合の自己負担額は4千円。区の公費助成は半額だ。
浅川医師によると、区役所からワクチン接種対象者に届く案内を見て、やってくる人が多い。周辺は下町エリアで、高齢者の間で「ワクチンが半額」という口コミが広がり、銭湯で人づてに聞き、慌てて駆け込んできた人もいるという。
肺炎による死亡者は人口の高齢化とともに増え、日本人の死因としては、がん、心臓病に次いで3番目に多い。うち97%が65歳以上で、高齢になるほど死亡率が高まる。
日常生活のなかで、さまざまな病原体に感染して起きる肺炎。最大の原因は肺炎球菌による感染で、全体の3割を占める。鼻や喉の奥につきやすい細菌の一つで、唾液などを通じて飛沫感染する。免疫力が低下した65歳以上の高齢者はかかりやすく、注意が必要だ。昭和大医学部教授の二木芳人医師が警告する。
「若い人の肺炎が比較的症状が軽いのに対し、高齢者が肺炎球菌による肺炎を発症すると、数日で重症化し、あっという間に亡くなるケースもある。70、80歳代の人では健康でもひとたび発症すると、突然命を落とすこともある怖い病気です」
発見されたときには重症化しているケースが多いため、「家族が注意して、風邪のような症状が長引くときは早めに受診することが重要」(二木医師)とも。
※週刊朝日 2015年3月13日号より抜粋