社会そのほか速
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日経平均株価が12日、一時、約15年ぶりに1万9000円台に乗せた。実体経済の回復の足取りは鈍いものの、世界的な金融緩和の流れと、円安などによる国内企業の業績改善への期待感から株価は今年に入って急上昇している。一方、景気回復が鮮明になってきた米国では、利上げ観測が強まり、逆に株価の上昇が抑えられている。
急上昇のきっかけは、欧州中央銀行(ECB)が1月22日に量的金融緩和を決めたことだった。中国やロシア、インドなどの新興国も相次いで金利を引き下げ、大量のお金が市場に流れ込んだ。日経平均は1月22日から今月12日までに約1660円も上昇した。
主役は外国の機関投資家だ。先週までの4週間、海外の投資家が株を買った額が売った額を上回る「買い越し」が続いている。株価上昇は個人の株への関心も高めており、ドイチェ・アセット・マネジメントの藤原延介ファイナンシャル・ストラテジストは「国内の投資家からの、一層の株価上昇を期待した積極的な買い注文が増えている」と話す。
昨年10月の追加緩和で円安が急速に進み、為替差益で輸出関連企業の業績が改善。電機・自動車大手などを中心に昨年を上回る賃上げが予想され、消費を刺激するとの期待感が、株高に拍車をかけている。日銀が上場投資信託(ETF)の買い入れを増やしたり、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)や公務員の共済年金のほか、ゆうちょ銀行も株式投資を強化する方針で、投資家の安心感を高めている。
一方、米国は雇用の改善が進み、6月にも利上げするとの観測が強まっている。金利が上昇し、ドルが独歩高となったことで、ニューヨークのダウ工業株30種平均は、上昇の勢いを欠いている。市場関係者は「今月に入って米国から日本に投資資金を振り向ける動きが強まっている」と指摘する。
株式相場の上昇が大方の市場関係者の予想を超える速度で進んだ反動から、株価は年度が替わる今月末に向けて、いったん利益確定売りに押され、値下がりに転じる場面もありそうだ。
ただ、金融緩和で世界にあふれたお金が有望な投資先を探している市場の状況は当面、変わらない。利上げを目指す米国とは逆に、日本の場合、長期間にわたって大規模緩和を続けるとみられており、円安傾向が続きそう。さらに、昨年秋以降の原油安が日本企業のコストを押し下げる効果がこの春以降、本格的に表れてくる。
SMBC日興証券株式調査部の渡辺浩志シニアエコノミストは「今回の上昇相場では、円安の恩恵を直接受ける輸出企業だけでなく、サービス業など内需関連企業の株も総じて上昇している」と分析。…