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日銀は17日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の継続を決めた。20日で就任2年を迎える黒田東彦総裁は記者会見で「金融緩和は所期の効果を発揮しており、物価(上昇率)は2015年度を中心とする期間に2%に達する可能性が高い」と物価目標の達成に自信を示したが、最近の物価上昇率は0%近くまで鈍化している。黒田総裁にとって就任3年目は勝負の年になる。【赤間清広】
◇2%の物価目標 想定外だった「原油価格の下落」
「エネルギー価格の動向によっては、マイナスになることも排除できない」。黒田総裁は記者会見で、1月に前年比0.2%まで鈍化した消費者物価指数(生鮮食品、消費増税の影響を除く)上昇率がマイナスに転落する可能性を認めた。物価がマイナスになれば、日銀が異次元緩和に踏み切った2013年4月以来となる。
異次元緩和導入時、黒田総裁は「2%の物価目標を、2年程度を念頭にできるだけ早期に実現する」と宣言したが、昨年夏以降の原油安で物価の上昇基調は頭打ちとなり、今春の達成は絶望的だ。黒田総裁も「想定外だったのは原油価格の下落」と誤算を認めた。
一方で、「物価をめぐる状況は大きく変化した。物価の基調は着実に改善しており、15年度を中心とする期間に2%に達する可能性が高い」と2年間の金融緩和の成果を強調。総裁就任時は1ドル=95円台だった円相場は120円台まで下落。1万2000円台だった日経平均株価も2万円に迫る勢いだ。春闘でも賃上げの動きが広がるなど、経済は改善傾向が続いている。
黒田総裁は「足元の物価上昇率の低下は原油安で説明できる。消費者物価が(一時的に)マイナスになっても、ただちに物価の基調に影響は出ない」と説明。原油安の影響が一巡すれば、物価は再び上昇基調を強め、15年度後半には2%程度に高まるという従来のシナリオを繰り返した。
ただ、市場の見方は厳しい。民間エコノミストの予想平均は16年度でも1%台前半。日銀の最高意思決定機関である政策委員会の中にも「物価が2%に近づくタイミングは直近の見通しから後ずれする可能性がある」(白井さゆり審議委員)など慎重論がある。
年内に2%が見通せる状況にならなければ、日銀は2度目の追加緩和や目標達成期限の見直しなど、大幅な政策変更を迫られる可能性もある。昨年10月の追加緩和時は政策委員9人中、4人が反対にまわるなど政策運営は難しさを増しており、黒田総裁にとって正念場といえそうだ。…