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日本記者クラブで記者会見する国連開発計画(UNDP)危機対応局の中満泉局長=18日午後、東京都千代田区
途上国の貧困削減を担う国連開発計画(UNDP)に新設された「危機対応局」の中満泉局長は18日、都内の日本記者クラブで会見し、世界各地で「紛争の形態が多様化している」と強い懸念を表明した。国連が複雑な人道・開発問題に対応する能力を持つ必要性を強調。日本政府の協力に期待を示した。
中満氏は過激派組織「イスラム国」のテロ行為など、国境をまたいだ紛争の頻発を踏まえ、「現代の紛争は長期化し、なかなか終わらないことが世界構造の中で見えてきた」と指摘。大規模自然災害を含め、国連は新たな危機対応を迫られていると語った。
その上で「従来の体制では危機対応が追い付かない」と憂慮。紛争や災害にはUNDPと各国連機関などが連携し、「(危機の)初期段階から復興まで一貫した支援」が必要だと訴えた。
UNDPへの最大資金拠出国である日本には、「UNDPの活動分野と日本の政府開発援助(ODA)が優先する対象は一致している」と説明。日本が人道・開発支援などで国連と連携することは「日本の国益にかなう」と述べた。