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1965年6月にオープンした東京・渋谷駅前の商業施設「東急プラザ渋谷」が22日、駅周辺の再開発のため閉館し、49年の歴史に幕を下ろす。
店内では60年代からの渋谷の街を写真などで振り返る展示が行われており、買い物客などから閉館を惜しむ声が出ている。4月に解体工事が始まり、2018年度には新たな複合ビルとして生まれ変わる。
東急プラザ渋谷は地上9階、地下2階建てで、「渋谷東急ビル」の名称で開業した。事務所や店舗、飲食店街が一体となった共同ビルは当時は珍しかったという。紀伊国屋書店の中で2番目に古い渋谷店など、約90店のテナントが入る。
開業時から出店しているロシア料理店、渋谷ロゴスキーの横地美香副社長(53)は「同じ場所でずっと店を続けてこられた。閉店にあたり多くの問いあわせがあり、行列が途切れない。ありがたいことです」と話す。
6階では閉館日まで、約30点の写真などで渋谷の街の変遷をたどる展示「タイムスリップギャラリー」を開催。開業当時の様子や渋谷と二子玉川(世田谷区)を結んでいた玉電(東急玉川線、69年廃線)、70年代の渋谷駅前の風景などが並ぶ。アロハシャツを着た若者が集まり、80年代に渋谷で流行した「サーファーディスコ」の再現コーナーもある。
会場には、「婚約指輪もここで買いました。ホントにさみしいです」「学生時代の寄り道、残業帰りの夕食、休日の友人との待ち合わせ。全て東急プラザが中心でした」など、買い物客らから寄せられたメッセージも展示されている。
東急グループは現在、渋谷駅周辺で2027年まで続く大規模な再開発を進めている。プラザ跡地一帯にはオフィスや店舗が入る地上18階、地下4階の複合ビルが建設され、1階は空港リムジンバスの発着場になる。現在プラザに入っている店舗が、新しいビルに入るかどうかは未定という。
プラザの森下潤一総支配人(46)は「開業以来ずっと続いている店舗もあり、親子3代で来てくれたお客さんもいる。これほど愛された施設に携われたことは幸せでもあり、誇りです」と話す。
品川区の会社員男性(61)は「渋谷に住んでいた学生時代、コンパなどでよく来たので、閉館は残念。駅の反対側にあった東急文化会館も(2003年に)閉館してしまい、渋谷の象徴的な施設がなくなるのは寂しいが、新しく変わる渋谷に期待したい」と話す。
飲食店街では現在、限定や復刻メニューを提供するキャンペーンも実施中。22日の営業は午後6時までで、閉館セレモニーが行われる。