社会そのほか速
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相次いだ食品の安全管理問題などが響き、業績不振に悩む日本マクドナルドホールディングス(HD)。事業会社の日本マクドナルドは先日、消費者からの要望や苦情などを受け付けるスマートフォン向け新アプリを導入すると発表し、インターネットで話題を呼んでいる。顧客対応向上への独創的アイデアだが、その有効性をめぐっては賛否両論あるようだ。
「『お客さまの声を聞く新システムの速やかな導入』を決定いたしました」-。日本マクドナルドは9日発表したニュースリリースで、新アプリについてこう説明した。
同社は異物混入など一連の問題を受け、今年1月から社会学者の濱野智史氏ら外部有識者を交えた「お客様対応プロセス・タスクフォース」を設置。今回の新アプリは、そこからの中間報告を受けた改善活動の一環という。
リリースによると、これまで顧客からの感想や意見、要望は電話やメールなどで受け付けていたが、より簡単に反応を得る新方法としてアプリを導入。配信は4月の予定で、詳細は追って発表するとしている。
■「努力の方向性が間違って…」
このニュースを受けて、ネットの各種掲示板やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で、多様な反応が相次いだ。ただ、大勢を占めたのは「なんかずれてんだよな」「努力の方向性が間違っている」という懐疑的な声だった。
同社は以前から、割引クーポンなどの特典が得られる公式アプリを配信しており、多くの利用者がいる。このため、「苦情を言うためだけにアプリを入れる人がどの程度いるのか謎」「マックに意見する専用のアプリとか、メモリー容量や電力通信量ほかの無駄にしか思えない」といった、利用者側のメリットが見えないことをいぶかしむ投稿が続出。
「公式アプリがあるんだからそれに追加するだけでいいじゃん」「メールかウェブフォームで十分」と、そもそもの存在意義を疑う指摘が少なくなかった。
そうした議論が展開される一方で、「味には文句ない。ダブルチーズバーガーセットを500円以内にしてくれ」といった値下げ要望や、「マックポークを何でなくすんだよ」「もう一度、ソルト&レモンが食いたい」など、旧商品の復活リクエストで盛り上がる局面も。「聞く耳があるだけまだマシ」「いいと思う。面と向かって言ったり、電話かけるのドキドキするもの。気の弱い人の泣き寝入りが防げる」といった肯定派も少数ながら見られた。
■クレームを集約? 拡散防止?
さらに深読みした意見として、「マックの規模と客層を考えると、いちゃもんも含めたクレームの総数はかなりの件数になるはずなので、クレーム対策のコスト削減の一環だろう」「ツイッターやフェイスブックなどのSNSに書き込まれて情報拡散されたくないからでは」と、“苦情集約装置”としての効果が見込まれる-との憶測も散見。
そうした見方にヒントを得たのか、「いろんな企業への苦情を受け付けるアプリと対応のアウトソーシングをセットにしたらビジネスチャンスになるのでは」と、新たな市場を模索する声まで飛び出した。
まだアプリの詳細も分からない段階ながら、既にこれだけの熱い意見が寄せられるマクドナルド。ひょっとしたら、このうえ新アプリを作る必要はないのかも…。(磨)
◆マクドナルドの苦戦 昨年7月に発覚した中国工場での期限切れ鶏肉問題などを受け、日本マクドナルドHDの業績は低迷。今年に入ってからは異物混入なども相次ぎ発覚し、同社のサラ・カサノバ社長は2月5日の決算発表会見で、「お客さまに多大なご迷惑をかけた」と謝罪した。だが、2月の売上高は全店ベースが前年同月比28・9%減で、13カ月連続の前年割れとなり、苦戦が続いている。