（株）福郷（TSR企業コード:320237915、白河市板橋字戸立石３１－１、設立昭和４４年７月、資本金１０００万円、木下晴之社長）は３月１０日、東京地裁へ破産を申請し３月１８日、開始決定を受けた。破産管財人には森順子弁護士（森・清水法律事務所、文京区本郷７－２－５、電話０３－６８０１－６４８２）が選任された。
　　負債総額は債権者約５３０名（うち、会員が約４００名）に対して約３３億円。負債のうち、約３０億円が預託金返還請求によるもの。

　　当初は、千葉県内を中心にゴルフ練習場の経営などを行っていたが、ゴルフ場の経営にも乗り出し、平成４年に「ザ・ダイナミックゴルフ倶楽部」（白河市）をオープンさせ、千葉と福島で練習場・ショートコース３カ所、本コース１カ所を運営するようになった。
　　しかし、景気低迷に伴い当社の業績は悪化し、経営の効率化を図るため、平成１３年１０月に新設分割によりダイナミック（株）（TSR企業コード:322403642、千葉県多古町）を設立させ、同社が主に千葉県内の施設の運営を担当することとなった。
　　このようななか、当社は会員権の預託金返還問題を抱え、１５年３月に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、４月に開始決定を受け、１８年１０月に再生計画認可の決定が確定した後３年が経過したため終結となった。
　　その後は「ザ・ダイナミックゴルフ倶楽部」（白河市）の運営に特化し、１９年２月に現商号に変更するとともに、現所在地に本社登記を移転したが、２３年３月に発生した東日本大震災および福島第一原発事故の影響により来場者が減少、経営環境は大幅に悪化した。冬季休業を経て２７年３月から営業再開を目指していたが、再開の目途が立たず、３月１０日にゴルフ場を閉鎖した。