社会そのほか速
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観光地からみた修学旅行誘致のメリットは、混み合う休日ではなく平日に団体客を確保できるほか、生徒らが将来再び訪れる“リピーター客”になることを期待できることもある。
県は2003年、金沢市や観光団体などと誘致実行委員会を設置し、中京、関西圏を中心に、全国から修学旅行や教育旅行の誘致を進めてきた。
それにより、県内を修学旅行で訪れる学校は徐々に増加傾向にあり、12年度は、03年以降で最多の211校となった。ただ、そのうち首都圏は13校だけで、新幹線開業後の15年度の見込みも、現時点で中学校8校の約1600人にとどまる。
県は、新幹線開業を見据え、首都圏からの誘致を強化するため、首都圏の中学、高校などを対象にアンケート調査を実施。北陸方面を旅行先として選ぶ可能性が少しでもある場合、企画提案書を持参して直接学校を訪ねてアピールしている。
昨年は、のべ約70校に出向き、教員が県内を下見で訪れた時にも付き添った。今後は、旅行会社の教育旅行担当者にもPRする方針。
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近年の修学旅行は、見学だけでなく体験を重視する傾向が強いことから、能登町は、農家民宿群「春蘭の里」での田舎暮らし体験をアピールする。担当者は、「春蘭の里は大きな団体を受け入れられる」と強調し、県職員らとともに関東の旅行会社にアピールしている。
七尾市も能登島の漁業、農業体験をメニューに盛り込み、これまでに岐阜県から受け入れた実績もある。能登半島広域観光協会の福田忍事務局次長は「埼玉県や群馬県などの海のない県が主なターゲット。まずは金沢に来てもらい、2泊目以降を能登で過ごしてほしい」と意気込む。
金沢市は、友好交流都市の東京都板橋区とのつながりを生かし、誘致を進める。昨年は山野之義市長が区立学校長会議に出席し、金箔貼りや加賀友禅などさまざまな伝統工芸の体験ができることなどを紹介。現在、同区から金沢を訪れているのは1校だけ。金沢市の中学、高校に新幹線を使って同区を訪れる修学旅行の提案も行い、相乗効果を狙う。
民間の動きも活発だ。「日本自動車博物館」(小松市二ツ梨町)には昨年、首都圏の自動車関連の工業高校2校が訪れた。今後は、首都圏の工業高校に直接営業をかける予定で、同館は「新幹線開業を機会に館の知名度を上げたい」と意気込んでいる。
来年3月には、北海道新幹線が函館まで開通する。北海道函館市は、青森県の青森、弘前、八戸の3市と青函圏観光都市会議を発足させ、4市を巡る観光プラン作りや首都圏からの修学旅行誘致にも力を入れている。修学旅行先はおおむね2年前に決まるとされ、新幹線効果を狙った北陸対北海道の戦いがすでに始まっている。