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リッパート駐韓米大使=2014年10月、仁川国際空港(EPA=時事)
【ソウル時事】リッパート駐韓米大使がソウルで会合出席中、男に切り付けられ重傷を負った事件で、搬送先の病院の担当医は5日、大使が顔の右側に長さ11センチ、深さ3センチの傷を負うなどし、顔だけで約80針の縫合手術を受けたと明らかにした。手術は成功し、容体は安定しているという。
〔写真特集〕駐韓米大使、襲撃事件
手術は約2時間半にわたって行われた。頸(けい)動脈や顔面の神経、唾液腺などには刃物が到達しておらず、担当医は「機能的に大きな問題はない」との見解を示した。
ただ、顔の負傷に加え、切り付けられた際に腕で防ごうとして、刃物が左前腕を貫通。筋肉のほか感覚神経も損傷し、担当医は指の感覚異常などの後遺症が予想されると述べた。大使は落ち着いた様子だったという。
警察当局は、現場で取り押さえられた襲撃犯をキム・ギジョン容疑者(54)と断定した。
韓国・ソウルの米大使館前での抗議集会で、プラカードを持つキム・ギジョン容疑者(EPA=時事)
一方、韓国外務省当局者によると、在韓米大使館幹部は襲撃について「(米韓同盟とは無関係の)独立した事件とみている」と表明。韓国の安豪栄駐米大使とラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)が接触し、「米韓同盟に対する否定的な認識や誤解が広がらないよう、緊密に協力する」ことで一致した。